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人名

 たてごと♪ です。
 色は匂えど 寝過ごすを(

 そういえば、現代ものをお書きのみなさんに是非、確認していただきたいものがありまして。
 ↓ からの抜粋ですけれども、

 『哲学魔王の【国語の時間】』-『1-2-2.文字の特別定義』
 https://kakuyomu.jp/works/16817330649199023723/episodes/16818093079031105937


     †


 📍人名用漢字という法的ルール

 常用漢字はバリエーションが限られており、それに対して人の名前付けにはもっと豊かさが欲しい、というニーズも存在する。
 よって、飽くまで常用外であるという但しつきで、人名に使ってよい漢字のセットを定めたものが、人名用漢字表である。
 次のサイトで、PDFデータの入手や、読み仮名検索などができる。

 🌐 『法務省‐子の名に使える漢字』
 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji86.html
 🌐 『法務省‐戸籍統一文字情報 検索条件入力』
 https://houmukyoku.moj.go.jp/KOSEKIMOJIDB/M01.html

 お気づきかもしれないが、常用漢字表が文化庁管轄であるのに対し、こちらは法務省管轄となっている。
 つまりこちらは目安ではなく、「法的拘束力のあるルール」だという事になる。
 具体的には〝氏名の文字は、常用漢字、人名用漢字、平仮名、および片仮名とする〟となる規定が、戸籍法施行規則第60条によって定められている。
 よって、

  • この定義にはずれる漢字では戸籍登録することができない
  • ゆえに現代が舞台の作品では、登場日本人の氏名表記を精査すべき

であるわけだ。
 もちろん、必ずしも沿っていなくてもストーリーにはあまり支障が無いだろうが、少なくとも現実には即さない設定だと言える。
 たとえば〔倶〕は意外にも、常用外かつ非人名用の漢字につき、〝いや耶倶矢(かぐや)さん、あんたそれじゃガチの偽名やろ〟とツッコミ入れざるを得ない(
 もっともそれを逆手に取って、不審者さがしの糸口とするトリックも成立するかもしれない。
 それと姓については人名用漢字の制限を受けないので、蟲喰(むしばみ)一族と狛喰(こまばみ)一族、あんたらはギリギリセーフや(

 なんにせよ、リアリティを追求したい作家や読者にとっては、重要なポイントとなるだろう。


     †


 そこそこ一般的な漢字で〝え、それ人名に遣えないの!?〟ってやつが結構ちらほらあるんで、気になる方は確認しといたほうがいいかもです。

5件のコメント

  • 苺の旧字体の『莓』がダメってなって一時期話題になったのを思い出しました(w
  • > 和泉将樹@猫部さん
     ありましたね〔莓〕。
     そもそも名前って読めてなんぼだと思いますから、旧字体ってキラキラネームの範疇なんじゃないかなあ、とは個人的には……
  • 人名ではないですが 𪚥 がIMEに登録されている事実に驚愕
    さすがに おとど(たいと) や びゃん は無理っぽそう? 表示させる方法はあるっぽいですが
  • 人名用漢字、私も二度引っ掛かって公開済みの作品を直したことがあります。難しい問題ですね。
  • > あるまんさん
     いちおう「IDC(漢字構成記述文字)」というのを使って、

     • おとど:〔⿳雲(⿲雲龍雲)(⿰龍龍)〕
     • ビャン:〔⿺辶(⿳穴(⿲月(⿱(⿲糸言糸)(⿲長馬長))刂)心)〕

     というふうに表記できはするんですが……
     パッと見わからんですねこれ(
     そのものズバリの表示には、外字登録か、専用プログラム作るしか無いと思います。

     あと〔䨻:⿱(⿰雷雷)(⿰雷雷)〕カッコイイ(


    > 大田康湖さん
     僕のところではなけなしの自動検出をするようにしてあるので、うっかりミスはある程度軽減できはするんですが……徹底は難しいですよねえ。
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