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企画『戦闘物ラノベはどこまで描けるか』(著:何度|なんど)

 自己紹介に安井健太郎(代表作『ラグナロク』)さんが好きだと書いている通り、戦闘ものが好きです。特に超人的な人物による殺陣が。
 そういうのを読みたいなぁと思っていたら、こんなものを見つけました。

戦闘物ラノベはどこまで描けるか(著:何度|なんど)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882777395

(どうでもいいけどURLをリンクにするにしてもカクヨム内の作品ページなら自動で作品名に置き換えるとかしてくれませんか運営さん)
 早速フォローして、まだ少ないですが参加作品のいくつかに目を通してみました。本当は片っ端からガッツリ読み込んで★入れておすすめレビューしたいんですが、企画主さんを差し置いて私が張り切ってもアレなので自重。
 なのでここに感想を書きます。あとで★くらいは入れてこようかな。


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戦闘シーンの練習ページ(著:何度|なんど)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882783525
エピソード『1 復讐者』を読んでの感想。

 企画主さんの作品。
 双剣の青年と、刀を使う男の戦闘シーンがメイン。青年は男に身内を殺されていて、その復讐というストーリー。主体は青年側。
 最初に、夜を迎えた広い公園だと舞台を説明してあるのは効果的。暗い場所で火花を散らして戦ってる姿を思い浮かべられた。
 両者の言動だとか、描写の内容だとかがクールな感じ。戦闘シーンに主眼が置かれ、二人の事情を下手につまびらかにしていないのも〇。作者さんは物語なんて関係ねぇと仰っているが私はこれでも十二分にカッコいいと思う。
 開戦、果敢に攻めるも劣勢に立たされ、敗北かと思われたところを起き上がって勝つ、という流れもドラマティックでよい。

 肝心の戦闘描写は、やや拙い。
 段落字下げがなく、改行のルールが自分ルール。長い文章の折り返しを避けているように見えるが、一行に表示できる文字数は個々人の閲覧環境に左右されるので、作者がそこを気にするべきではない。

 また男と青年という呼び名も、どっちの人物を指しているのか直感的にわかりづらい。
 殺人鬼は名前を冒頭で出しているので、そっちを使うべきでは。というかその後の展開に絡まないなら殺人鬼も名を明かさない方がクールじゃないかというのが個人的な印象。

 「目に浮かぶ鋭い眼光」のような重複表現も見られる。
 それとそのシーンは噴水を挟んで反対の場面で、殺人鬼は青年の眼光は見えないはず。
 細部を書くタイプの戦闘は描写の緻密さがすべて。推敲をしっかりして矛盾を生まないことが大事。

 あと青年は触手を剣に変える、という特徴的な設定があるので、そこを戦闘シーンに取り込めれば(柄に触手を巻き付けて長いリーチの斬撃とか)もっと面白いかも。

 描写は、剣を振る、追い詰める、という感じが多い。そこを具体的に書ければ臨場感が増すと思う。
 袈裟掛けに振り下ろした、首筋目がけて薙ぎ払った、など。猛攻に押されて下がる青年に、男は容赦しない。鋭い踏み込みは音すら置き去りに、二人の間合いを消失させた、など。

 二人の心理描写もしっかり入っていて、スピード感もある。
 語彙を充実させることと、場面を映像として捉えたときに矛盾しない描写を心がければ、ものすごくよくなると思う。
 もっと作者さんの作品を読みたいけど小説畑の方じゃないのか、他に作品はない様子。ちょっと残念。


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 こんな感じかな?
 他の参加作品も読みたいな。あと私も短編を書いて参加したい。
 本当はブルーティッシュエッジで参加したかったんだけど、全話に戦闘シーンが入ってないとダメということで断念。
 というか、戦闘はメリハリ、静と動がないとダメなわけで、全話に戦闘シーンがあるような小説は間違いなく駄作なので、ちょっと参加条件を緩和してほしいなんて。

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