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リアリティ

 鉄は熱いうちに打て!
 なんで命令形なんでしょうね。なんだかイラッとします(あまのじゃく
 ともかく早いとこ書いてしまおうと思い、またキーボードに手を置いています。

 前回の記事ではリアルさについて、下手に具体的な描写をすると矛盾を招く元となり、逆にリアルさを損なうことになるということを書きました。
 今回はリアリティ、要するに「それっぽさ」について。

 国産RPGゲームをしていると、登場人物が妙に薄着で戦闘に挑むところをよく見ます。ドラクエのビキニアーマーなんて典型的ですね。
 ごく常識的に考えて合理的じゃありません。あんなの着るなら普段着の方がよっぽどマシです。しかし、そこに理由があるならどうでしょう。
 どっかで見たのですが、「ドラクエ世界ではセクシーな格好をしてると精霊の守りを得られやすいと考えることにした」と納得してる人がいました。
 これは、なかなか説得力のある説です。ドラクエ世界なら目に見えない精霊がいて、それが主人公達を後押ししてくれているのだとしてもなんらおかしいことはありません。裸同然で凶暴な魔物と戦う非現実感を、なんかそれっぽい理屈で押し通してしまっているわけです。

 この「それっぽさ」は、中途半端なリアルさよりも、より情景を具体的にします。
 ものすごい力を発揮する武器を手にしている人物。でも、脆い足場の上にいるから全力を出せずに葛藤する。これもまたそれっぽさです。
 森のダンジョンがある。森ということは、近くに水源があるか、雨がよく降る気候ということです。だからカビやすくて困ってます。
 華奢な冒険者がいます。彼・彼女は重い装備を身に着けられないので、比較的軽量なチェインメイルと薄い鉄板を縫い付けた服を装備しています。
 ~~という有名な迷宮があります。そこに出る敵の種類は把握されています。だから近隣の街では冒険者達の装備が似通ってきます。

 こういう、~だから~となる、という思考が大事です。
 大勢の大人が飯の種と命のために、頭を振り絞って考えているんです。そういう、なるべくしてそうなったのだ、という常識が必ずあるはずなのです。
 だのに、たったか十数年しか生きていない主人公がぽんっと紛れ込み、斬新(笑)で画期的(笑)な解決法を現代知識(笑)で編み出し、すげぇなボウズ! なんて。コントかな?

 なんだか大したこと書けないな。これ以上のボロが出ないうちに〆た方が傷が浅いかもしれない。

 まぁ、たとえばこの女キャラは身長○○で体重○○、スリーサイズはいくつで騎士団長やってます! なんていっても構いませんが、そのガリガリな体格で男を正面から打ち負かしていたり、騎士団指定の鎧を着ていて、腰まで届く艶やかな長髪です、なんていったらその時点でクソです。
 体格のいい男を倒すに足る、たとえそれがリアルさの欠片もない理屈なのだとしても、理由は必要です。
 確実に男社会の騎士団でトップに上り詰められた理由はなにか。
 華奢な女性が屈強な男と同じ鎧なんか着られるわけもなく、じゃあどうしているのか。
 髪が長いのだとしたら、なぜ非合理的な長髪を選んだのか、戦いのとき明らかに邪魔となるそれを普段は束ねているなどの描写をしなければならないのです。
 ラッキースケベできめ細かい白い肌が~なんて書いたら、それどうなってんのと言わざるをえないでしょう。生傷絶えないだろうし、日光浴びてるなら肌荒れ放題のはず。

 私の場合、冒険者の話を書いているわけですが、彼らの生活を多少書いています。しかし、別にこれくらいの頻度で活動して、年齢はいくつでギルドランクいくつ、こういう依頼がギルドに張り出されて、収入は銀貨何枚、なんて書かなくていいんです。
 彼らが、どこで稼ぐのか。稼ぐために、なにを考えて工夫しているのか。それを脅かされたとき、どういう行動に移るのか。
 そして、今日はこの依頼をやってみるかぁ、なんて腑抜けた発言は絶対にさせられません。なぜなら現代人の考えなしは多少の損や職場での冷遇程度で済みますが、冒険者の考えなしは=死だからです。

 いやそういう小説じゃないんで……と割り切るなら、それはそれで正しいことです。ただ、中途半端にリアルさを書いておきながら、前述のようにアホみたいな描写をしていたら、この小説はなにを書きたいの?となるわけです。


 リアルとリアリティ、つまり生々しさとそれっぽさは、どっちをどうすればいいという正解はありません。自分が書きたいものに対して、どちらをどこまで追求するか、それを考えなければいけません。
 お金のことを書くから通貨の名前はこれにしようとか、長さを表現するときに数字を使いたいけどメートル法じゃダメだから適当な名前と尺度にしよう、なんて考えなしでは馬鹿を見せびらかすだけなのです。まぁリアルさもリアリティもないキャラ設定と挿絵だけで売ってるようなのもあるらしいですが。

 と、ちゃんと起承転結ができてるか甚だ怪しいものですが、とりあえずは結論っぽいところまで辿り着いたので終わります。
 無駄がどうのとか書いたけど、このゴミクズみたいな駄長文を生産した自分の時間と労力が一番無駄だという。二度とやらない。

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