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リアルさ

 勉強が捗らなくて部屋の掃除をしたくなる的なアレで近況ノート。
 そういやレビューしよう運動が盛んになってきましたね。件の評論のオススメレビューを見てても色んな意見が見られました。評価が高くてもレビューがなかったら敬遠だとか、レビューしない作者の作品は面白そうでも読む気になりませんだとか。いやあ面白い。願い下げです。

 ちょっと前に舞台設定やキャラクター設定をどこまで突き詰めるか、ということを考える機会があったので、自分の考え方の整理も兼ねて書いてみます。
 私が気にしてるのは、リアルさとリアリティの違いです。
 そして個人的には、リアルさは排除すべき、リアリティはこだわるべきだと思います。
 まぁこの二つは私が個人的に勝手に定義しているだけですが。
 今回はリアルさについて。

 ざっくり言って、リアルさは具体性だと思っています。
 たとえば、主人公が街を出立し、次の街へ向かいます。その途中で襲われている馬車を助け、いくらかの報酬を貰うことになりました。

 ここでリアルさを強調するなら、街から街への距離、地理、気候を書くことになります。距離は、徒歩で数日くらい。地理は平坦な街道、季節のせいで寒い、など。
 また襲われていた馬車には、どういう人物が乗っていたか。商人なら荷はなにか。報酬の額は、どの程度か。襲っているのが盗賊なら、盗賊が発生するような背景など。
 大体にはこういうことを細かく設定していくほど、世界観が堅牢になっていきます。

 前述のとおり、私はこれを排除しています。
 なぜかといえば、具体的になればなるほど制約が増え、そして些細なことで矛盾が発生するからです。
 そして矛盾が発生すると、世界観を強固にするはずのリアルさが、逆に世界観を脆弱で曖昧にしてしまいます。

 まず、街から街への距離。たとえば、これを徒歩でいくら、馬車でいくらだよ、と作中で明言したとします。それを登場人物が「遠いな」とか話したとします。
 もしそれを適当な値に設定してしまうと、徒歩で~のところを馬車で~っておかしくない? となるわけです。
 また旅が長くなるのだとしたら、その間の食料や備えはどうなっているのかを突き詰めなければなりません。現地調達で……なんて話で誤魔化そうものなら動植物の分布まで書くことになるでしょう。
 気候と生態系が定まってしまうと、今度は街の話になります。これが特産品なんだ~となったとき、その気候でそういう植物が育つかよ、なんてことになったらどうでしょう。白けませんか? 私は白けます。

 また距離を数字で表そうものなら、もう大変です。この辺は後述しますが。
 前になんかの作品で、馬車で十日の場所に街があるよ、となって「長旅だな」なんて台詞がありました。しかし馬車が現役の世界観で十日の旅なんてどう考えても日常茶飯事レベルです。

 報酬一つ取ってもそうです。
 よく異世界転生などで通貨を説明するシーンがありますが、こんなん気楽に手を出していいものじゃありません。通貨は経済そのものだし、作中で他国に行くことになったら言語の問題も含めてもはや収拾つきません。
 単位は、距離も同じ話です。「ここで言う○○は地球のメートルと同じようだ」なんてなったらこいつ馬鹿なんじゃないのと思います。その異世界は地球と同じ大きさの惑星なのか。それか光の速さを計測できるほどの科学技術がある世界なのか。だったらなんで馬車なんか使ってるんだおい。

 と、そういうことを書くと、そんな細かいとこまで普通考えねぇよ、その設定考える必要ないだろ、屁理屈ばっかの頭でっかちの性悪野郎め、と思われるでしょう。仰るとおりです。
 大事なのは、どこかで必ず妥協をするということです。

 結局はリアルさを完全にすることなど絶対にできません。第一、物理法則が地球に似ていたり、人間がいたりすること自体がリアルさの欠片もありませんし。
 どこかで「あそび」を作り、どうとでも解釈できるようにする。これが肝要です。
 これが商人の話だったりするなら、その「あそび」を可能な限り消すことが命題となりますが、私のように戦闘がメインのファンタジーなどとなったら、その辺は書く必要がありません。

 どこかで曖昧にするなら、はじめからなにも決めずになにも書かない。
 そういう考えのもと、私はリアルさを排除すると決めたのです。
 この辺、現代ファンタジーはいいですね。そちらはそちらで難しさはあると思いますけど。

 同じ理由で、キャラクターの身長体重、服装なども考えません。
 物理的にどうなの、単位はどうなの、という話になるからです。その重装備で、その体格の人物が飛んだり跳ねたりは無理だろう、と。
 この辺、幼女が大剣を振り回すのを海外の人が変に思ってるっていうのと似ていますね。まぁ、その辺はラノベの挿絵になることを考えて、インパクトと個性重視でも別にいいと思いますけど。
 私も服装については、ただ一つ、女の冒険者の装備について「鉄板を縫った厚手の服の下にチェインメイル」とだけ書いています。ただ、これはリアリティの方のために書いているもので、また次の記事で。

 なんか頭の悪い文章でおまけにクソ長くなりました。二回に分ける必要あるかなーなんて思いながら書き始めましたがそうしてよかった。
 次へ続く。気が向いたらすぐに。向かなかったらいつになるかわからん。



 一応なにかを参考にすることもなくだらだら書いてましたが、リアルとリアリティについてはもう完全に出尽くした話題でしたね。
 某大百科のコメントで「リアル⇒生々しい、リアリティ⇒それっぽい」と書かれていて、これだなと思いました。同時に私の長文の存在価値が完全に失われたわけですが、まぁそれはそれでいい。

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