拙作「垂直少年と水平少女の変奏曲〜加納円の大いなるお節介と後宮の魔女達〜」のリライトが終わった。
興の乗るままダラダラと書き連ねた旧作の加筆訂正ということになる。
興の乗るままダラダラという基本路線は大きく変わらない。
編集を生業にする人が見れば2/3は刈り込まれるだろうか。
それでも自分に課した新機軸はある。
スマホで読みやすいように短文化を図ったのだ。
できる限り一文に一つの話題をと心掛けた。
行数も三行を超えないように工夫をしてみた。
一章を細分化して、分章の文字数を千から二千字以内に収まるように整えた。
考えてみると日本語の句読点には実は決まり事などない。
小学校のころから何となく使ってはいるが、成文法ではなく慣習法みたいなものだろう。
その証拠に句読点を意図的使わない作家もいる。
金井美恵子はその最たるものだろうし、谷崎の春琴抄もしかり。
文部省が何というかは分からないが、要に書いてある内容が分かれば良いのだ。
スマホの文体としては句読点を打たない。
それもトレンドらしい。
文字数に制限がある小さな液晶画面を考えればそれも合理的
文章作法だろう。
作家が行う句読点の操作はもっぱら文章の長尺化にあるように思える。
そうであるなら、句読点の操作で文章の短尺化も可能だろう。
長文を短文に変換する作業は思いの他楽しかった。
筆者的にこの実験は面白かった。
さて実験の結果は小説に通用するのか?