クソ寒すぎじゃねーか。
どーも、ソースケです。
『玄冬記』の最新話を更新しました。
開戦直前です。
フェムは前線全体のほぼ中央に位置しています。
前線の全長がどれくらいなのは設定していませんが、点在する前線基地の中でフェムは最大で交通の便もいいです。
まぁ、そのために作られた砦なので当たり前なんですが。
なので、前線において最も重要な拠点です、今回もですが、今後もこのフェムと巡って王国軍と魔王軍はぶつかることになるでしょうね。
そして、そのフェムの奪還から始まる王国軍の攻勢。
ウェルロッドはもちろん、ルインもフリッツも、それに従っている聖徒騎士団の全員、死ぬ覚悟です。
もちろん、遺書も書いた上での出陣になっています。
その遺書はピダーセンが全員分保管しています。
戦士した場合、聖徒騎士団員の遺書はピダーセンからカルカノへ渡り、その後に宛先となる家族などの元へ送られます。
聖徒騎士団の構成員は教会の施設出身の孤児も多くいます。
教会は王国全土に幾つもの施設を運営しています。
東西南北と中央の5つのエリアごとに分け、管理している形です。
既にお気づきの方もいるかもしれませんが、聖徒騎士団員の名字が「ウエスト」や「イースト」になっている者がいます。
ルイン・ウエストやテオバルト・イーストですね。
これは施設出身者特有の名字で、育てられていた施設がどのエリアに所属していたかで決まっています。
「ウエスト」は西なので西都の管轄であった王国西部の施設出身という事。
聖徒騎士団は一応準貴族の位が与えられる為、名字が必要になってきます。
しかし、施設出身の元孤児には名字がない者が多く、便宜上付けられた名字です。
自分で好きな名字を名乗ることも可能ですが、いちいち考えるのも面倒で殆どは「ウエスト」や「イースト」の方角姓になります。
逆に、元々の名字を消して方角姓を名乗るものもいます。
自身の生まれを隠す目的ですね。
ある意味、ヴィルのような落し子と同じようなものです。
なので、実は他国の前王朝の末裔だったりって事の実はあるんです。
聖徒騎士団は王国だけでなく、他国の教会施設を経由して海外出身の団員も多く所属しているので、様々な種族、人種が所属しています。
ですのである意味、隠れ蓑として機能している面もあったりします。
折角なので聖徒騎士団を掘り下げてみますか。
まず、聖徒騎士団は捌神正教が所有する武力組織です。
所属しているのは捌神正教の信者、テンプル騎士団などのイメージで合っています。
主な目的は捌神正教の布教と保護。
現在の目的は魔王軍から信者を守る事です。
捌神正教は王国の国教であり、世界最大の宗教です。
この世界には二大宗教があり、一つがこの捌神正教、もう一つは王国から見て北にある首長国が国教と定めるワルフラーン教です。
この2つの宗教は仲が悪い訳でもいい訳でもありません。
完全にお互いを無視し、無干渉を貫いています。
まぁ、宗教に関してはまた別の機会に掘り下げましょう。
聖徒騎士団になるには条件として「捌神正教の信者である」事が必須です。
騎士団内の生活習慣など全て捌神正教の教えにのとったものです。
とはいっても、メチャクチャに厳しい訳ではありません。
聖徒騎士団は信者から見れば聖職者集団ですが、捌神正教の教義内に「聖職者は婚姻してはならない」というものもありません。
むしろ、命の繁栄に対しては大肯定しているので、「結婚しろ!子を作れ!」って色のほうが強い。
なので騎士団内での恋愛も咎められませんし、寿退団(?)する団員もいます。
カルカノ自身が婚姻しても何の問題もないのですが、諸事情で未婚のままです。
実はルーインバンク家の直系はカルカノしかいません。
ですので、カルカノが未婚であるためにルーインバンク家の直系の血はカルカノで最後です。
カルカノは既に養子を迎えており、家督はその養子が継ぐ事になっているので家自体は残る事になります。
聖徒騎士団は完全に志願制です。
施設の子供達も基本的に志願制。
ただ、日々の生活の中で素質があると思われる孤児には10才を過ぎた辺りで声を掛けられます。
要は勧誘ですね。
首を縦に振れば見習いとして騎士団に迎えられます。
しかし、首を横に振ったとしても何のお咎めもありません。
王国で成人とされる15歳までは施設で大事に育ててもらえ、希望する職に就く為の支援までしてくれます。
鍛冶屋になりたいなら鍛冶屋を紹介したりなどの就職支援もしてくれる。
また施設内では躾はもちろん、読み書きや計算などの教育も行われる為、施設出身者はいろんな職場で歓迎されます。
就職後に独立して企業を立ち上げる者もいるくらいです。
それは騎士団を辞めても同じく、再就職支援や怪我による退団などの場合は保証も付いてきます。
このような手厚い待遇があるため、聖徒騎士団への入団志願者は多いです。
準貴族の位も貰えるため、聖徒騎士団は就職先としてもかなり人気が高い。
そのシステムを作ったのは他でもないカルカノです。
アナがカルカノを慕っている理由はここにあります。
長くなりました、すみません。
次回からは戦闘ですので、お楽しみに。
それは、また次回。