八月も新型コロナ対策で家籠り生活が続きます。
……延々と続いていきそうな不安がぬぐえず、少しでも気分が晴れるように何か書こうを思い、キーボードを打ち始めた訳です。
昔、友人同士で創作した作品を回し読みする遊びをしていました。
日記風のものやホラーもの、ファンタジー――思えばそのうちの一人がBLの二次創作持ってきて当時まだうぶな私たちに大きな衝撃を与えてくれました――と、みんなが持ち寄ったものは実にバリエーション豊富でした。
そして、なぜか自分の書いたものだけは、いつも満場一致でクレームを入れられていました。
悪くはないけど、暗い。悲しい。救われない。
そういうつもりがなくても、だいたい似たような評価が下されて、当時は頭を抱えていたものです。
(今なら「はあ?なにを言う!フランダースの犬だってごんぎつねだって可愛さの皮をかぶってにこやかにぶっ刺してくるからいいだろうがっ」と答えるでしょうが)
その時書いたもののうち、ちょっとだけ(本当にちょっとだけのつもりです)暗めの童話がありましたが、どういう話の流れだったのか、友人たちの手によって、無理やりハッピーエンドに書き換えられてしまいました。
実はああいう設定でそんなことがあってこうなったんだから、ハッピーエンドは無理だってっ!と心の中で叫んだところで受け付けられるはずもなく……
でも書き換えられたことがきっかけで、妙にその童話に愛着が湧きました。
「皆は君のお話が後味悪いからって変えてすっきりしたかもしれないけど、私は君が全力で生き抜いたことを知っているから、どんな結末だろうと否定せずに見届けたい」
と童話の中の人に語り、暇あればその裏設定を足し続けていた。
「その人」の話から「その人達」の話に膨らみ、村から町へ、国へ、龍の住まう大陸へと大きくなっていきました。
最初こそ無理やり行く末を改変されたその人のための挽歌だったけど、歌も連ねれば新しい感覚をもたらしました。
書くというよりも、彼らの生活を覗くようなもので、少し後ろめたさを覚えつつ見守る感じです。
じゃ記念に書きおこして残しておきますか。と思ってスタートいたしました。
……スタートというより、ずっと昔に始めた話を終わらせるためだといったほうが、正確かもしれません。
まあ、うけないのは昔からだし、読んではもらえないだろうなあとネガティブに考えつつアップしたのは、やっぱり彼らにそのまま私のノートに埋もれたまま消えて欲しくなかったからでしょうね。
人が出てきます。獣も出てきます。時には神様やかつて神様だった者たちも出てきます。
うたたねの龍はつかの間の夢を見る。空に響き渡るは誰の歌。
龍吟連歌、始まり始まり。