廃嫡者(エル・デスデイシャドー)
私は冥き者、――妻なき者、――慰めなき者、
崩れはてた塔に住む、アキタニアの君主。
私の唯一の星は死んだ、――星ちりばめられた私の琵琶には
「憂鬱」の「黒い太陽」が刻まれた。
墓の夜の中で、私を慰めたお前よ、
返してくれ、ポシリポの丘とイタリアの海と、
傷ついた私の心を、あれほど喜ばせた花とm
また、條々が薔薇に絡まる葡萄の棚を。
私は愛(アモール)か神(ポイポス)か、キプロス王かヴァロワ公か、
私の額は、今もなお、女王の口づけに赤らむ。
そして私は二度勝ち誇って地獄の河を渡った。
オルペウスの七絃琴の上で、父がかわるがわる
聖女の吐息と妖精の泣き声とを奏でながら。
ネルヴァル『火の娘たち』