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星座の娘

身近くせまってくる人々の愛が
夜更けには私の肉身の部分を作っている
魂がそれらの中を流れめぐり
私は巨いなる天空の神話の娘が
星の鋲で天に留められているような束縛を感ずる
(中略)
夜が一刻一刻凝りゆく時
天の神話の娘は
何億年はり切った
星と星との銀縁の綱をたち切り
青い蜘蛛のように
しきりに空間へつり下がろうと意志しまいか
ああ重く病める恩愛から寒い自我を割きとって
錘のように
唯一の重力を信じて下へ下へ!


                 永瀬清子

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