レビューでおおっぴらに書けない内容(トリックや内容的に)などを書きまとめてます。
内容は下記作品に言及しておりますので未読者の方はご注意を。
シェアハウス殺人事件
作者 柳森 乙樹
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884549386自分はネット小説というのをあまり読まない主義なのですが、ミステリーとしては久々に推理しながら読んだ作品だった気がします。作者さんがこのノートにやってきたときに、一度拝見させていただいたのですが、執筆途中だったので「完成してから読もう」ということで。そして久々にログインしたら完成していたのでサクッと読了。
最近は読んだ後にプロットを分析という読み方をしていたので、あまり読みながら気になった部分をまとめて推理するというのをしていませんでした。そもそも本を読んでいる間はパソコンに触れないので、メモ帳を開きながら分析・検討ができるというのはネット小説ならではなのかもしれません。
作品については結論から言えば、見事に引っかかりました。
叙述はそういうものと強がりつつも、これに関しては作者様の企みの方が上回っていたように思います。
まあ、あまり叙述自体好きな人間じゃないので、これってアリかよ?と思ったりもしたのですが、そういった好みを言い出すと評価が難しいので一旦放置。
それよりも、タグに思いっ切りネタバレが乗っていたので読んだ後に「こんなところにヒントが......」となりました。ただ、この場合は読んでいなくて正解だったのでしょう。
トリック的なことに関して言えば、
最初は文章が表現の豊かさはさることながらくどいと思いながら読んでいました。例えるなら(漫画ですが)ハッピーシュガーライフみたいな感じ。しかし、それを含めての企みだという構造ということを考えれば完全に脱帽です。いつかミステリーの編集者の方が「ミステリーに関しては最後まで読まないと分からない」と仰っていましたが、こういう作品のことをさしていたのかもしれません。
叙述関してに言えば、アンフェア気味な部分がないわけでもないのだけれど、道尾秀介先生も某作品で似たようなことをやっていたし放置。ただ、題名とも密接にかかわることになる動機があやふやなところが難点といえば難点。それ以外は論理的な内容というよりは個人の好みの問題でしょう。それを差し引いても完成度は高く、楽しませてもらったというのが僕の感想です。