多賀 夢（元・みきてぃ）

私の作品テーマには「アダルトチルドレン」ってのがあって（割と古い概念だけど）家族のせいで生きづらい人たちを理解して欲しい、って気持ちがあります。

だけど最近は考えが変わってきて、「そういう境遇に生まれたとしても、結局は自力で戦うしかないんだよ。一から自分を自分で育て直すしかないんだよ」って、思うようになりました。

時代によっても許される行為は変わります。
お仕置のために見知らぬ場所に置き去りにされることや、成熟の早い体を色欲まみれの言葉で罵られることは、躾であり一家の団欒でした。今では通報される行為を親たちは近所に自慢し、近所も真似たものでした。……たかだか35年前の話ですから、今の年寄りの常識はたいてい当時のままです。私もそろそろ五十路というのに、今も結構な扱いを受けたりします。

それでも子供は大人にならねばならず、過去を抱えて今を生きなくてはいけません。成長出来なかった自信に、自分で水と肥料を与えなくてはなりません。
そうでなくては、《幸せ》を実感できませんから。生きてきて良かったと思えないまま、誰にも苦しみも理解されないまま現世から逃げなきゃいけないですから。

私は、私を笑いものにすることで団欒していた両親を今も恨んでいます。しかし両親もアダルトチルドレンであることを知っていますから、深く同情もしています。
私は自立を選びましたが、両親はその親が死ぬまで「いい子」「ダメな子」を演じ続けていました。痛々しいほどに自分のない2人でした。祖父母はみな死にましたが、我が親の何かに依存する性格は今もたいして変わっていません。
心理的に孤立しているふたりは、滑稽で悲劇的です。

私は、今はまだ感情的に過去を感じています。だけどできるだけ冷静にそれらを物語として再構築し、《恨む》の次のステージに進む人間を描きたいとあがき続けています。

親を恨む人よ。恨む工程も確かにあるものだけど、それじゃあ人生は自分のものにならないよ。



※弟がまたイメージを作ってくれました。
古切手調だそうです。天才かお前！
(мё≧口≦)σ(≧∀≦уομ)