Twitterのほうで、五年祭を御存じなかった方がいらっしゃったので、作品に関する風習などをこちらで簡単に補足させて頂きます。
『或る少女のサバイバル』の主人公、双葉の家は神道です。(家に新興宗教の勧誘が来た時に言ってましたね)
つまり、菩提寺となるお寺がない家なんです。
モデルにしたうちの実家が、そういう家なんですよ。
大昔の日本は戸籍の代わりに檀家制度を利用していたのもあり、大抵のおうちがお寺に所属しており、法事も仏式が主流だと思います(一周忌とか七回忌とか)
しかし事情によりお寺に所属しなかった一族もあり、そういうお宅は神式の法事を行うことになります。
双葉の家も神式で、葬式も法事も宮司(禰宜)が執り行います。
お経の代わりに祝詞を上げて、全員が榊をささげるのが法事の全容です。
一応『祭』となっていますが、これは『祀り』の事です。
仏教では故人は仏となるか輪廻に戻ります。
しかし神道では、死者は祖霊となり合祀(他の霊と合わせて一つの神とする)されます。だから、位牌代わりに『霊璽(れいじ)』というものを作りますが、お位牌のように長々と飾ることはなかったように思います。だいたい白木だしね。
戒名もなくて、うちの祖父の場合は【(氏名)之命】と神っぽい名前になってました。そこは、神道でも宗派によって違うのかも。
また、法事のタイミングも仏式とは違い、一年祭、三年祭、五年祭、十年祭の後は、五年ごとに行うようになります。