今はタイパを意識される時代になってきています。
皆、時間というのが最も貴重な資源と理解しているから。
物語の導入部分だけで、判断する。それは仕方ないものなのかもしれません。
ぼくは物語の導入部分が合わなくて読むのをやめたのに、後に大ファンになった作品があります。
それは、「鬼滅の刃」です。
ジャンプで連載が始まった時に、主人公の炭治郎が置かれている境遇に滅入ってしまったのです。
毎週買っていたジャンプでは、優先的に読まないマンガになっていました。
でも、社会現象までなった「鬼滅の刃」をアニメから再び入って好きになったのです。
それは物語の全体テーマだったり、後半に出てくるキャラクターだったりで。
※ちなみに、ぼくの一番の推しは、継国縁壱です。
自分の中で物語の評価が大きく変わったのは、発見でした。
そして、もうひとつ、「ヴィンランド・サガ」というマンガ。
同僚から薦められて、「まずは八巻まで読んでくれ」と。
ファンであれば、そこまでの壮大なプロローグがあってこそと、物語を全体を評価しているでしょう。
壮大なプロローグが主人公に様々なものを課していて、後の物語がとても良くなっているのです。
追放系、ざまぁ系を否定するわけではないです。
序盤の面白さの安定感は読む人を安心させるでしょう。
スカッとする話は気持ち良いものです。
ストレス発散になるかもしれません。
ただ、今のぼくが書きたいものではないなって感じています。
ジェットコースターでカタカタと頂上まで上がっていく過程を楽しいという人はいないでしょう。
その後の急降下からが楽しいのですよね。
「勇者の十字架」は、主人公のカタリナの視点から始まります。
それがとても大事な要素。
そして、最新話まで追いかけて読んでいる方は知っているように、もう一人の主人公がいます。
散りばめられた謎を追いかけながら、そこにあるドラマを楽しんでいただけたら、作者としては嬉しいです。
「勇者の十字架」はこちらから。
2024年1月1日に完結が約束された連載です。
https://kakuyomu.jp/my/works/16817330667097148599