1か月ほど前から、『沈黙の竜姫』というファンタジー小説を自費で出版しています。
小説を書く人や作品を公募に出す人はいても、出版までする人は珍しいのか、金額や流れについて質問を受ける機会が何回かありました。カクヨムでも自費出版について知りたい人がいるかもしれないと思い、裏話を近況ノートに書いてみることにしました。ある程度読む方がいらっしゃるようであれば、何回かに分けて連載していくつもりです。
なお、自伝的短編小説である『ライフ・ワーク5』でも自費出版を取り上げていますので、興味のある方はそちらも併せてご覧になってみてください。
出版した作品についての詳細はこちらをご覧ください。
https://kakuyomu.jp/users/MizukiOhara/news/16817139556725373267 まず、今回作品を出版するに至った経緯をお話します。
今回提携した文芸社という会社では、NEO小説大賞という賞を開催しています。字数制限がなかったため、原稿用紙900枚近くある本作を応募することにしました。結果は落選でしたが、それから約2か月後に単行本の部署から出版の打診が来ました。出版社に作品の価値を認めてもらえたと思って少しだけ心が揺れましたが、落選した作品全てに案内を出しているのかもしれないと思い直し、その時点では承諾しませんでした。プロの作品が溢れかえっている中で、素人が作品を出版したところで自己満足にしかならないと思ったからです。
それから2か月ほど経って、今度は文庫の部署から連絡がありました。単行本よりも廉価だと聞いて見積もりを出してもらいましたが、予想よりも遙かに高額な金額だったのでやはり断ろうと思いました(金額については2回目で触れるつもりです)。
その後、別の新人賞に作品を応募しましたがやはり落選し、落ち込んでいたところへ再度文庫の部署から連絡がありました。厳選した作品に対する特別企画という触れ込みで、2回の見積もりよりも若干安い金額が提示されていました。自作が特別企画に選んでもらえたことと、三度も声をかけてもらったことで、そこまで言ってもらえるなら出してみようという気になり、ようやく出版を決意した次第です。
こんな風に何度か気持ちの揺れを経験しながらの決断でしたが、一番の決め手になったのは作品への思い入れの強さだったと思います。サイトで公開するだけではなく、あえて出版という選択をすることで、自分の可能性を試してみたいと考えたのです。
今回はここまで。次回以降は毎週金曜日に公開する予定です!