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自費出版裏話②〜出版にかかる費用〜

 前回の近況ノートにたくさんのいいねを頂きました。お読みくださった皆様、誠にありがとうございます。
 読んでくださる方がいるとわかったので、続けて自費出版の裏話を紹介していきます。今回のテーマは「自費出版にかかる金額」です。

 自費出版にはいくらかかるのか? 一番気になるところですよね。実際にかかる金額がわからないと検討のしようもありません。私もそう思って見積書を請求し……金額を見て衝撃を受けました。発行部数250冊のお値段、なんと約144万円。14万円じゃありません。ちょっとびっくりですよね。車が買える値段じゃないか、と。この金額には、人件費、倉庫保管費、編集作業費、配本費、広告費などが含まれているそうですが、それでもすぐに納得はできません。ふっかけられてるんじゃないかと思って相場をネットで調べましたが、どこの出版社も同じくらい金額がかかるようでした。
 ただし、これだけの金額になったのは、作品が原稿用紙約900枚(文庫本にすると650頁強)近くあることにも原因があります。もっと枚数が少なければ金額も抑えられ、実際に原稿を削ることも提案されましたが、推敲を重ねてこの枚数になった以上、安易に削る気にはなれませんでした。
 この金額を見た瞬間に一気に気持ちが萎み、自費出版の可能性を考えるのを止めました。売れる保障もないのに、そんな法外な金額を出すなんて建設的ではないと思ったのです。

 その後、特別企画の案内を受けた時には130万円まで下がっていましたが、それでも100万円以上かかるとわかって即断はできませんでした。友人にも親にも相談し、いろいろな意見をもらいました。
 その中で印象に残っている言葉が2つあります。1つは母の言葉で、自費出版というのは人生で1回あるかないかの経験なのだから、出してみてもいいんじゃないかと言われました。親には絶対に反対されると思っていたので、この言葉を聞いた時は非常に驚きました。
 もう1つは職場の友人の言葉で、当時私が仕事で悩んでいて、作家になりたいことを話していました。その友人に相談したところ、仕事に悩んでいる今だからこそ挑戦してみてもいいのではないかと言われ、強く背中を押されました。
 ただ、最終的に決断できたのは出版社の人の言葉でした。実際に売れる見込みはあるのかと尋ねたところ、新人賞応募時の講評が紹介され、社内でも評価が低くなかったことがわかりました。作品を世に出すことで、その価値を読者に直接問うてみてはどうかと言われ、ようやく決断を下すことができました。

 こんな風に出版を決意するまでにはかなりの紆余曲折がありました。金額が大きいだけに散々迷いましたし、判断が正しかったのか今でもわからなくなる時があります。そういう時には、悩んだ経験そのものにも意味があったのかなと考えるようにしています。

 今回はここまで。次回は契約締結後のスケジュールなどを紹介する予定です!

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