現代戦闘機を小説で描くということ

本日、『サムライ・ヴァイパー』の第1話『新たなる挑戦』を公開いたしました。
プロローグで戦闘機の描写がほとんどなかったので、「コレ本当に戦闘機モノの作品なのか?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。ちゃんと戦闘機がバンバン出てきますので。

ただ、様々な参考文献や映像資料などに目を通してから執筆してはいるものの、書いていて思うのは「戦闘機パイロット視点の描写の難しさ」です。
個人的には生来からの乗り物オタクなので、陸海空と一通り乗り物の操縦する『イメージ』は持っているのですが、空は旅客機ならともかく、空中で激しく挙動が変わる戦闘機を、その戦闘機を操っているパイロット視点から描くのは本当に難易度が高いと感じます。
これが車や電車、船といった他の乗り物ならもう少し違うのでしょうが、陸海の乗り物が基本的に『二次元的』な動きをするのに対して、飛行機は『三次元的』な動きをするのが、描写を難しくしている原因だと思っています。

陸や海の上を動く乗り物の動きは、言ってしまえば人間が足を使って動く行動とさほど違いがありません。
しかし人間という存在は能動的に上下方向に上がったり下がったりすることができません。普段人間ができない動きを描写して、なおかつ多くの人が理解できるように描写しようとすると、当然ながら限られた知恵をうんうん唸らせて何とか描写をひねり出すしかないのです。

最近だと戦闘機もシミュレーターで比較的容易にそれっぽい状況を『視覚的』に体験することができるようになってきましたが、流石に身体に掛かるGなどは実際に乗ってみなければ体験できません。
なのでそこは様々な文献から得られる文字の情報と、シミュレーター上で視覚的に体感できるシミュレーションを突き合わせてとにかく書くしかないのですが、果たしてこんな描写であっているのか? 探りながらの執筆が続いています。

次回第2話は、いよいよこの物語の『真の主人公』の登場です。
公開予定は9/28 0時。
ご期待ください。

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