『サムライ・ヴァイパー ーF-2B/XR、ウクライナの空にてかく戦えりー』、先日公開の第3話にてふたりが無事(ようやく)日本を離れウクライナへと飛び立ちました。
言い換えれば『ようやく本来の物語が始まる』、ということですが、ここまでに10万字も費やしたのにはもちろん理由があります。
それは、現実にはあり得ない『F-2戦闘機をウクライナへ供与する』という物語の根本的な部分や、その機体を駆るパイロットたちの『能力』をきちんと描かないと、本編の説得力が落ちると考えたからです。
『サムライ・ヴァイパー』計画・岩崎、そしてリュドミラについて丁寧に描写してきましたが、物語の中で直接触れるとどうにも野暮なプロフィールなども、読者が作品に没入していくためには必要だろう、ということで、今回から「『サムライ・ヴァイパー』達の横顔」というタイトルで、この先の主要人物について現状掘り下げられるだけ掘り下げよう、と思います。
記念すべき第1回はこの物語の主人公のひとり、リュドミラ・T・フジワラについて。
まずは基本的なプロフィールから。
〇プロフィール
名前: リュドミラ・トカーチ・フジワラ (Lyudmyla Tokach Fujiwara)
年齢: 28歳(プロローグ時点)
国籍: ウクライナ
出身地: ウクライナ・キーウ
職業: ウクライナ空軍 MiG-29戦闘機パイロット→F-2B/XRパイロット(空軍中尉→空軍少将)
〇家族構成
父: 藤原毅(ふじわら・たけし)
日本人
元航空自衛隊・飛行教導隊所属のF-15パイロット。
オレナとの結婚を前後して退官してウクライナでアクロバット飛行パイロットとして生計を立てる。
父方の祖父は旧日本軍の特攻隊員として操縦訓練を受けていたが、出撃命令前に終戦となり生き残る。
母: オレナ・トカーチ
ウクライナ人
ウクライナの文化と歴史を愛する大学教授。
文化交流のために日本の大学へ一時転籍した際、とあることをきっかけに毅と出会い、交際の後に結婚。ウクライナへ毅と共に戻り、後に一人娘のリュドミラが生まれている。
リュドミラのミドルネームは母親のファミリーネームが由来。
〇ルックス
母親譲りの金髪セミロングと青い瞳、父親譲りの端正な顔立ちを持つ。
体格は外見上はスレンダーだがパイロットとして鍛えられたインナーマッスルが自慢。
身長170cmほど。ウクライナ人女性の平均より高め。
〇性格
非常に勇敢で、困難な状況に立ち向かうことを恐れない。
時には無鉄砲と評されるほど向こう見ずなところもあるが、その勇気と決断力は同じ飛行隊の仲間たちに信頼されている。
生まれながらの男勝りな性格で、何事にも全力で挑む。
ハーフという出自で幼少期にネガティブな経験をしているため、自身に出来た仲間を大切にし、リーダーシップも強い。
〇背景
幼少期から航空機に強い興味を持ち、父親の影響でパイロットになることを決意。日本での生活とウクライナでの生活を行き来しながら育ち、両国の文化を深く理解しようとしている。
東日本大震災のニュースと自衛隊の活躍を知り、その経験からウクライナ空軍に入隊。
その後厳しい訓練を経てMiG-29戦闘機のパイロットに。
ロシア軍の全面侵攻後の出撃で3機の撃墜記録を残している。
〇能力
操縦技術: MiG-29の操縦に卓越しており、複雑な機動をこなす。また東西を問わず未知の機種への適応能力も非常に高い。
戦技: 父の影響を受けドッグファイトに精通し、素早い判断力と反射神経で実力を上げてきた。
語学力: 家族の背景からウクライナ語だけでなく日本語や英語は任務に支障がないほどに扱える。ロシア語は堪能ではないが、ウクライナ国内で多く使われるため日常会話程度は可能。今回の計画に彼女が選ばれた最大の理由がこの語学力。
リーダーシップ: 持ち前の性格とドッグファイトの能力を武器に部隊の指揮を取る能力があり、チームの士気を高めることができる。
〇目標
最大の目標は、ウクライナの空を守り、家族や仲間たちの平和を取り戻すこと。
また、父親と母親の故郷である日本とウクライナの架け橋となることにも使命感を抱いている。
〇趣味・嗜好
航空機模型づくり: 父親と一緒に楽しんできた趣味で、細部にこだわって作成することを楽しんでいる。日本メーカーだけでなくウクライナメーカーのキットも作る。
アウトドア: 山登りやハイキング、キャンプなど自然の中で過ごす時間を好む。
音楽: ウクライナの伝統音楽や日本の童謡や唱歌が好きで、歌うことがリラックスの手段のひとつ。母親譲りで歌唱力はそこそこ。
〇作者裏話
・ルックスに関しては完全に作者の趣味嗜好に忠実に従っただけ(金髪碧眼好き)
・実はキャラづくりに関して岩崎よりも難航した(彼は明確なモチーフがいるため)
と、今のところ彼女について語れるのはここまで。
まだ出していない話は、いずれ本編にて。
次回はもうひとりの主人公、岩崎昇平について。