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イミテイション・ヒーロー裏話

【1500PV感謝】イミテイション・ヒーロー - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16818093076595034098


(イミテイション・ヒーローのネタバレを含みます。ネタバレありきで本編を読んでもらえるのも嬉しいので、ガンガン書きます。ご注意ください。)


普段は……と言えるほど執筆慣れはしていないのですが、以前長編を書いた時は、かなりガチガチに構成を固めてから書きました。どこにどういう伏線があって、だからこうして、ここは描かないようにしてカットする……など。

イミテイション・ヒーローは、ドラゴンノベルス長編部門に応募するという前提のもと、頭で考えて作った話です。

……頭で考えているにしては、レーベルとジャンルがあまり合っていないような気がしますが……。正直、賞狙いというよりも、目標と締め切りが欲しかっただけです。

長編を結末まで書き切るという経験をしたことがなかったので、自分のモチベーションが高い題材を選ぶ他なかった……というのが理由です。

いろんな方のとてつもなく大きな支えがあって、なんとか完結させることができました。

イミテイション・ヒーローは、いつか心情描写や情景描写をパワーアップさせてリメイクしたいです。

【主人公について】

イミテイション・ヒーローの主人公のハジメくん。彼は、割とお辛い状況を背負わされています。

冒頭で目覚めた時、あの時が彼の自我が芽生えた瞬間であり、彼が生まれた瞬間でした。彼は、赤嶺勇斗の死体のうち、脳みそから情報を得ており、そのため最初から喋ることも動くこともある程度の知識を持つこともできていました。

ついでにいうと彼は『生まれながらの死体』なので、成長できません。一生十五歳の少年の姿のままです。大人になることができない、永遠の少年です。彼自身は作中でそれを知るタイミングがありませんでした。
(薄々気づいてはいたかもしれませんが、それよりもっと大きな罪を背負わされてそれどころではなかったので……)

これから彼が『生きていく』にあたって、辛いことや苦しいことがあるとは思います。でも彼と彼を大事に思ってくれる人達なら乗り越えられると思って、そのあたりの描写はしませんでした。

小ネタですが、彼は熱中症のことを『日射病』と言っていたり、スマホを知らなかったりしました。二十年前の知識のままアップデートされていない部分があるという伏線でした。


【影の主人公、牛隈大助について】

牛型怪人アルカイドこと、牛隈大助さん。十九歳。彼も彼でなかなかつらい経歴の持ち主です。幼い頃黒幕に誘拐されて、自我を取り戻した頃には家族がもう全員死んでいて、帰る場所がなくなってしまったのです。

実は彼、最初はただ主人公のかませにされるだけのちょい役だったのですよ。しかも私利私欲のために力を振るうオッサンで、魅力のかけらもないやつでした。

初期案がそうだったとは思えないくらい影も形もないくらい魔改造されて、いい感じになってくれました。
かませのオッサンだったのに、それが良くここまで化けてくれたものだと感心しています。説明役も担ってくれてありがとうね。
物語の後はノヴァと一緒に暮らしているという裏設定があります。家族を失い天涯孤独になった者同士、何か引き合うものがあったのかもしれません。



【蒼井博さんについて】
彼に関しては、牛隈大助さんの台頭で一番割りを食っています。本当は彼が裏主人公の予定で、彼の恋人(妻)や、場合によっては息子も登場する予定だったんですが、軸がブレるので全カットになりました。ごめんね。罪を償う罪を償うってずっと責任を背負ってばかりいますが、彼がヒーロー協会会長にさせられたのは十六〜十七歳の頃ですからね……。まだ子どもだよ。彼もまたつらい。彼は戦後処理を頑張ってくれました。いつか幸せになれたら良いですね……。


【矢作秀明さんについて】
この物語の影の功労者。彼が逃げ延びたノヴァと出会って助けてくれていなければ、この物語は始まる前から詰んでいました。すごい大事なポジション。


【ドゥーベ、新倉和美さんについて】
覚えている人いるかな? いなくても勝手に語りますね。『悪の組織』の統括幹部の女性なのですが、彼女も彼女で悲しい過去を背負っています。何より大事な一人息子を亡くして……殺されています。新倉和美さんは、NPO法人の長もしており、怪人被害に遭った人のサポートやケアをして、陰ながら尽力していた優しい人です。最終的に彼女は、かたきを討つことよりも、今生きている人を助ける側に回りました。……強い。


【黒幕について】
一応名前だけは伏せますが、わかりましたよね? 最初からどストレートに怪しかったですよね? 魔法少女ま◯か☆マギカの某わけがわからないよさんのオマージュというかそのまんまです。あのお方より人間味があり、小物ではありますが……。
黒幕は誰だ? という謎解き要素は最小限にしたかったのです。ただでさえ独特でややこしい世界観だったので……。
彼女はヒーローが好きだったと思います。
ヒーローに倒される悪にしかなれなかっただけで。


【朝比奈栞、月森奏について】
大好きな人と大事な親友。というコンセプトで作りました。イメージはプリ◯ュアです。
朝比奈栞さんとハジメくんの恋愛要素はもう少し力を入れて作り直したいな……。
月森奏さんはいてくれるだけで賑やかになりぐいぐいと物語を牽引してくれるので、とてもありがたかったです。
余談ですが月森奏さんのタイプは『大人っぽいお金持ちの人』らしいので、ハジメくんは最初から恋愛対象ではなかったらしいです。最初はそういう恋バナガールズトーク回があったのですが、物語の闇が深い回と合体させた影響でカットせざるを得ませんでした。

【早見千歳さんについて】
本作のキーキャラクター。
下読みしてくださった方のアドバイスから生まれたキャラクターです。彼女の名前はすぐに決まりました。
名字は……『早く死ぬ』から……。いや……。あんまりにもあんまりな由来ですね。下の名前の由来は、彼女は長生きできないので、名前だけでも長く生きさせてあげたいと思って付けました。
彼女はハジメくんに好感を持っていたと思います。


・物語全体の初期案について
最初は死んだヒーローが二十年後に蘇るという話でした。二十年間という時間のギャップに苦しみながらも、それでも前を向いてヒーローとして生き直す話。ただ、それではカタルシスが足りないと思って、大幅に改稿しました。


・元ネタ、オマージュ元
プリキ◯ア、仮面ラ◯ダー(オー◯、アマゾ◯ズ及び初代)、ドンブラ◯ーズ、魔法少女ま◯か☆マギカ。

今だから言えることなのですがこの物語はドン◯ラザーズを見た直後に書き始めた、生まれて初めて立てたプロットがベースになったものです。

ドン◯ラザーズの脚本があまりにも見事だったもので、自分もヒーロー物書きたい! と思って生まれたのがこの作品でした。……脳内で好きだなと思っていたものや感動したもの、心震わされた数々の作品が超合体した結果、ドン◯ラザーズとは全くテイストの違う話になりましたが。

まとめると、思うのと書くのは全然違って、ものすごく大変でした。大量の伏線や各キャラクターの思考回路、知っている情報と知らない情報をさばききれなくなりかけていて、脳みそが10回くらい焼ききれるかと思いました。

元ネタたっぷりオマージュたっぷり好きなもの全部載せなんて執筆初心者が手を出して良い領域じゃないよ。なんで初の十万文字超えの長編でこんな難しいことやろうと思ったの。

全部の作品が好きだからです……。


……というわけで、忘れてしまう前に、記録として残す意味もあり、裏話を語りました。いやあ、こんなオマージュ盛り盛りの作品、選考に通るわけがない!🤣 でも、書いてて楽しかったです。

協力してくださった方々、応援してくださった方々、本当に、本当に、ありがとうございました。いつかパワーアップ・リメイク書けたらいいな。

2件のコメント

  • この近況ノートの内容と全く関係ありませんが、先程『創作活動を始めたきっかけ』にいただいた、私のコメントへの返信について、追記いたしました。
    そこにも記載しましたが作者フォローの件、全く不快に感じていませんので大丈夫です!
    むしろ今までの応援に感謝しております。

    どうやらコメントの追記は通知されないので、すみませんがここにコメントさせていただきました。
    このコメントは削除してもらって全く問題ありません!
  • 猫野 ジム様! 本当に、本当に、フォローできていなかったことに気づいて、申し訳ない気持ちでいっぱいでした……。追記文も読ませていただきました。お心遣い、本当にありがとうございます。これからも猫野 ジム様の活動を応援させていただければ幸いです。本当にありがとうございます……!
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