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思春期

昨日と今日の違いはなに?

と、数学授業の最中でまったく関係のないことで沈思する私であった。

急に思いついたこの無駄に意味深な疑問だが、心底に悩まされている。

って!馬鹿な……

まったく答えが出ないのは何故?!

日々は時間の流れと共に変わりし続けるものである。だと言ったものの、その変化を感じ取れないようなら、理屈として弁えても意味がない!

ああ、もしかして私って、実は結構ダメなニンゲンじゃないかな……

成績は中の上、スポーツも大の得意分野だ。そんな自分に優越感を覚えたのは、ただ思い描いた幻想に酔いしれているだけなのでないか?

——馬鹿な。これでも努力した覚えはある、それは紛れもない現実の出来事だ。

でもそう考えてみれば、確かにそういうこともある気もしなくはない、かも?

馬鹿な。馬鹿な。

ってか。なんて疑問形?っていうか、なんでこんな急に思いついた疑問に囚われているの、私……不安だ、私ってもしかして太宰治みたいな敏感で精神潔癖のニンゲンなのかな……

いやいや、今はそういう話じゃなかった。

そう言えばねえちゃんも昔こういうことを急に呟いていったよなぁ、これって何なんだろう……ある種の遺伝的心理病だったりして……いや、流石に考えすぎか……

あ、でも……

「おい島田!ちゃんと集中してる?!」

あ痛っ!

「今結構重要な部分だからな!テストにも出る、ちゃんと聞きなさい!」

古田先生、相変わらず粉筆の投射が上手いな……

あ、私さっき何考えていたっけ……

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