「黒い奴隷船」『聖女事変』第1稿脱稿しました。「岐門《くなと》の方へ」に続く『聖女事変』の第2章です。
キャッチコピー:クトゥルフ神話の邪神と眷属たち VS 姫先生
梗概:
昭和2年、東京の女子高等師範学校新卒の千石片帆《せんごく・かたほ》嬢が英語教師として赴任した北の田舎町・岐門町は、闇の眷属たちがうごめく異世界〝幻夢境〟へとつながっていた(「岐門の方へ」)。岐門には地元の旧大名である母方祖父・岐門弘之伯爵の家があり、肩帆はそこに同居することなる。岐門家に嫁いできた祖母は岐門神社・物部家の娘で、聖女〝夢見姫〟を輩出する家系だった。母・千石瞳は聖女で、肩帆も聖女認定されている肩帆は、当代きっての術者である同僚の教師・吉田兼好とともに、次代の聖女候補でである物部寧音の鍛錬を行っていたが、事故のため、幻夢境に転移してしまう。異世界冒険が始まった。
備考:ラヴクラフト『未知のカダスを夢に求めて』を下地に、自分なりに再構築してみました。第1章で2万字、全5章10万字になる予定。楽しんで戴ければ幸いです。
登場人物:
●千石片帆《せんごく・かたほ》:主人公、岐門高等女学校の英語教師。1年2組担当。〝姫《おひい》先生〟〝聖女・夢見姫〟の二つ名がある。
●千石瞳:片帆の母。関東大震災で行方不明。
●岐門夕子《くなと・ゆうこ》:世話焼きな片帆の母方叔母。独身。
●岐門弘之《くなと・ひろゆき》:母方祖父。伯爵。
●吉田兼好:謎めいた禰宜《ねぎ》、岐門神社に間借りしている。同校古文教師でもある。1年1組担当。〝鬼撃ちの兼好〟の二つ名がある。
●物部寧音《もののべ・ねね》:同校1年2組生徒。岐門神社宮司の娘で禰宜。
●乃東現子《ないとう・あらこ》:同校の新任校長。年齢不詳の謎めいた美女。片帆を敵視している。
●ムル大尉:幻夢境ウルタール出身の猫型亜人(猫神族=バステト族)
●ナイアルラトホテップ:宇宙神〝旧神〟に反逆した魔皇アザートス麾下にある〝旧支配者〟の一柱で、他の旧支配者が知性を奪われた反面、唯一処罰を免れている。〝這い寄る混沌〟とも〝黒衣の貴紳〟とも呼ばれている。
挿図:古文教師・吉田兼好