• 異世界ファンタジー

図解:偽歯鳥ペラゴルニス

 イヌワシ(犬鷲、狗鷲)は、全長1m、翼開張2mあり、獲物の狼(25-50㎏)や狐(体重2.5-10㎏)を捕えると、飛翔して高いところから落とす。瞬間的ならば、小柄な人の場合、イヌワシにつかまってで飛べるのではなかうか? そんなことを考えた。
 他方、新生代・旧石器時代ホモ・ハビリス(231-165万年前)がいたころ、アホウドリによく似た、偽歯鳥ペラゴルニスという海鳥がいた。歯に似たギザギザの嘴「偽歯」が特徴で、翼を拡げたときの幅がなんと6mにもなり、飛行可能な鳥類としては最大である。
 対してホモ・ハビリスは身長135㎝で、現代人なら、小学生くらいの子供の身長であり、そのくらいだと体重は30㎏だ。ならば、偽歯鳥とホモ・ハビリスをペアとした場合、長距離飛行も可能なのではなかろうか。
 そういうわけで、私はホビットのモデルをホモ・ハビリスとした次第である。
 昔のNHKアニメに『ニルスの不思議な旅』というのがあり、渡り鳥がニルス少年を乗せて、冒険旅行に出るという物語があった。ホモ・ハビリスが、偽歯鳥と仲良くなって、背に乗せて大空を舞う。――なんてことを想像してみた。

 ちなみに……
 ホビットについて、実をいうと21世紀になって間もないころ、インドネシア・フローレンス島で、全長1mの小柄な化石人類が発見された。5万年前までいたホモ・フローレンシスだ。北京原人やジャワ原人の系譜だとされている。同人類の愛称が「ホビット」だ。





イラスト:アマミ

5件のコメント

  • 下東様:いいねをありがとうございます。
  • 稲邉様:いいねをありがとうございます。
  • いずみ先生 御侍史

    このたびは、素晴らしいレビューを有難うございました。
    感激でいっぱいでございます。
    早くお礼のメッセージを、と毎日気に致しつつ、積もり積もった過労がたたって遂に体調を崩し、ここ2週間は勤務を続けるのが精いっぱいの状態に陥って居りました。
    そのため、大変失礼致しました。
    イザベラ・デステ侯妃もお喜びでございましょう。
    心から感謝申し上げます。

    いずみ先生の豊かな教養と学識にいつも感嘆致して居ります。
    今回の近況ノートを拝読しながら、私は、谷底に落ちたシンドバッドが鷹につかまって舞い上がり、奇跡の生還を果たしたエピソードを思い出しました(光り輝くまばゆいダイヤモンドがごろごろ谷底に転がっている奇想天外な光景は、おそらくシャーラザード王妃の心象風景だったのでございましょう)。
    ここまで書きながら、はっと、シンドバッドがロック鳥という巨大な鳥の足につかまって空を飛ぶエピソードを思い出しました。
    これこそ、いずみ先生がお考えの光景に近いですよね。
    いずみ先生のお考えは、人類の遠い記憶に根差したものに繋がっていることを感じ、尊敬の念を深めました。

  • 稲邊様
    そんな大変なさなか、お返事ありがとうございます。
    むかし視たダビンチの伝記ドラマに、イザベラ妃が少し顔出ししていたような気がします。
    この時期の資料について、先生へのお薦め本:お手元にあると何かと便利かと思います。

    クヌート・ベーザー『ノストラダムスの万能薬』
    ハンネレ・クレメッテイラー『中世ヨーロッパの食生活』



    私など浅学の至りです。
    シンドバットのロック鳥――子供の頃、絵本の挿絵で観たのを思い出しました。

    それにしても、現生人類って30万年前に出現し、5万年前に霊長類の覇権を握ったわけですが、文明もどきをつくるのに1万年も経っていないのですよね。環境問題・温暖化問題とか大騒ぎしていますが、人と関係なく、地球は氷河期の最中にあって、3万年後にはまた寒くなり、14万年後には新星爆発・生物大量絶滅で、たぶん人類もいなくなる。――などと聞きかじった話で、『王国志』を描いていました。


  • @yagoziisan様・ランドリ様:いいねをありがとうございます。
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