もともとわりに還元主義なんですけども、そうは言っても精神とか、魂とかね。なんかゲシュタルトのあのあれ、あってもいいよねくらいの気持ちもちゃんとあるんですけど、これが物質を相手にしていると霧消していくという話です。
ちょっと縁があって、ねずみちゃんのお脳を切断するとこを見たんですけど(ひどい話)(死後大量の白鼠に脳を漁られる地獄に堕ちますので安心してください)(何が還元主義だ)、これがねえ、皆さん理科で習いましたよね、我々のお脳にはシナプスというのがありますよと。で、シナプスの果てにはなんか溜まりみたいなのがあって、電気が流れますとそこから伝達物質が放出され、以って次のシナプスがビリっとなりますよと。
これを見たんですけどもね、まあこのねずみちゃんのお脳の切片をある液に浸す。ほいで、シナプス後電位というのを測りますと、まあまあ出ます。で、別の液に浸して同じことをすると、あんま出ない。へえ。死にかけだったのがより死んだのかな? と思うと、逆順でやっても、A液は出るけども、B液は出ないみたいなのは変わんないんですな。なんだこの手品、タネはどうなってんだって言うと、A液は単に脳脊髄液を模したなんかだけども、B液にはそれに加えてある化学伝達物質のアンタゴニストが入ってて、それもなんかすごいもんではなくてマグネシウムとか。にがりですわね。そっちに浸すと、まあその物質が伝わんなくなるので電気が流れませんよとこういう話である。
うひゃーって思いません? いやまあ分かるんですけども、SSRIとかそういう薬ですから、まあ同じことをやってんでしょうとは思うんですけど、でもね、したら俺らの頭の中に満ちてる液を取っ替えたら、我々の思考って変性するってことですよね。うひゃあってなりません? 還元主義になりますよね。そんなお前液でよぉ。にがりを打ったら変わるのかよ。
で、前なんかこれは書いたかもしんないんですが、プレパルスインヒビションってあって、簡単に言うと前に刺激があると次の刺激に対する反応は弱るよってことなんですけども、これ、お脳に直でやると逆転すんですよ、二発目がでかい。なんで? って聞くと、一発目でちょって物質が出まして、ほいでこれは電気じゃあないから、少し溜まってんですね。全か無かの閾値は超えられないけどちょい出、にもっかい打つと溜まり分、閾値超える奴が増えて、ださら二発目が高くなる。あーーーはあーーそうやってーーー! 活動量の増加で反応性の低下を実装している!!
はあはあ。興奮しちゃいますよね。いやー物質は面白いですね。俺も物質を相手にしたいぜ、そして還元主義者になるんやって思いましたが、突き詰めてくとなんかあんまそうシンプルに還元主義もキツイよみたいな向きもあるらしく、へーって思いました。権化であって欲しかった。