東京はやっぱいいとこだと思うんですね。まあ地続きであれば東京近郊、ギリ本州ならそんな感じないかもしんないですけど、北海道に住んでると「東京に出る」というのはちょっとばかし億劫ではあるわけです。
で、だから例えば東京ミステリーサーカスに遊びに行きたいな〜と思っても、朝、今日は暇だから行こ、とはならず、俺の行動原理って基本それなので行けないわけです。「来週末空けといて行こう」というのは苦手なのです。だもんで、どうしても「わざわざ行く」「計画を立てて行く」(なんかのついでに行く、もありますが)、という形になってしまい、そうするとその閾値を超えない、でも楽しそうなさまざまな事をスルーして生きることになる。これは勿体ないというか、そういう意味でやっぱ東京はいいなって思うんですよね。
で、更に例えば、なんか美術館の展示を観に行きたい!! って頑張って予定立てて観に行きましたと。そしたら、その周りにおもしろそうなものが死ぬほどあるじゃあないですか。劇場とかも山ほどあるし。インターネットのお陰でこういう文化的格差というか、そういうのは減ってはいますが、それでもなお俺はやっぱ北海道は文化的に後進だと思うし、東京の文化は羨ましいなぁと思うわけです。物価とか高そうですし、一生住むかったら別ですけど、チャンスがあれば5年くらい住んでみたい感じはある。
で、だから東京で就職したくて春休みインターンみたいなの行ってましたみたいな若者と話して、盛り上がったっていうか、応援したい気持ちなわけですね。いいよね東京。やっぱ文化があってさぁ。
で向こうも「そうっすよね〜」みたいな感じで、だからまあ背中を押すってわけじゃあないですが、上で書いたような「東京における文化へのアクセスの容易さ」みたいな話をしたんです。そしたら向こうも「分かる分かる〜」みたいになって、俺もおっさんなので、若者に「分かる分かる〜」って言われるとちょっと嬉しいわけですよ。いやあ楽しい会話だったなぁ、と思ったら、最後に若者が言うわけですよ。
「やっぱ、東京だとオシャレしてても全然浮きませんもんね。こっちだと『なに調子こいてんだ』みたいになりますけど……向こうは文化が違いますよね〜」
いやそれは俺全然分かってなかったって言うか、お前ちゃんと俺の服見てその発言してる? 大丈夫? 俺はオシャレは全然してないけど、その発言が俺を軽く殴った上に、今まで発生してた共通理解が完全なる幻想ですよって突きつけたことに気がついている?
やっぱ人間って相互理解がムズイなーと思いましたよね。そうか、オシャレ……なるほど……そういう……はー。びっくりしすぎて、曖昧に頷いてしまったんですが、今もうちょっとオシャレの話を聞けば良かったかなぁと強く思っています。札幌で浮くってお前どんな服着てんの? あるいはどんな服を着たいの? すごく興味あるよおじさん。