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あったかいものが美味いのはなぜか

 酸味とか苦味はもともと警告が由来だと思うんですよね。酢酸発酵、ってつまり腐敗の一種で有害なパターンが多いんで、それを鑑別できる人のが生き残り率高くて、とか、ワタとか苦いですけど、やはりこれも内臓近辺って寄生虫とかがいて、とかそういうのの回避が得意な方がいいですよみたいなのが最初にあって、でもウマイ、は後に来てると思うんですよね。文化っていうか。辛味に至ってはあれ痛みの一種でしたよね確か?

 一方塩味、うま味というのは必要な栄養素の摂取に有効なのでわかるし、グルタミン酸を好むのとイノシン酸を好むのが人種的に分かれたりするっぽいですけど、それも食生によってある程度規定される感じがあってまあそんなもんかなと。

 甘味はたぶん富栄養なものにあったんですよね……と思うんで、まあそれなりに全体的に利得があって、だから霊長類はある程度メシの好みが似るというか、サルとか果物好きなのは分かるじゃあないですか。

 あったかいもの美味いってなんですか?

 いやなんですかって、そりゃあ加熱した方が衛生的だし、モノにもよるけど基本加熱した方が柔らかくなって食べやすいし、デンプンも消化しやすくなるし、いいことづくめでしょ? 甘味とか塩味と同じことじゃねーの? って思われるかもしれないですが、でもその、一般に動物は火を恐れるわけですよね。これはかなり漫画知識なので、実際はそうでもないですよってなら話変わってきちゃうんですが、まあ火を恐れるとするならば、生命の歴史上、アッツアツのものなんて食わない、食った経験ない時期の方が長いんじゃあないですかねって思うんですよね。熱いものダメな人のこと猫舌って言うでしょう、ということは、試したことはないですが、たぶん猫は熱いのダメなわけで、ってなるとほ乳類の大半は熱い食べ物ってダメなんじゃあないかなって思いますよね。どうした人類?

 お湯が湧くところというのはたまにあるので、それ? そこがスタート? でもなー、日本に住んでりゃあそこかしこでお湯が湧きますけど、世界的にそうなのかって言うとあんまそうでもない気がしません? 単に印象ですけど。

 山火事とかのときに悠長にメシは食わんでしょう。まあでも火は便利で、火を手にして、そしたら焼いてはみるわけか。人類も言って50000年くらいはいるわけだから、熱いのオッケーな個体が生き残りやすいのはそりゃあそうで、だから他の味覚とあんま仕組み的には変わんないのか?

 ってなると、たとえばサルとかだと、アッツアツのバナナとか好む個体とか一定数いたりするんですかね。危ないしそんなに意味ないからやんないだけで。

 まあとにかくあったかいものは美味いですよね。今年もあと三日、なるべくあったかいものを食べて乗り切りたいですね。よくわからない結論に落ち着く今日この頃です。

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