炊飯釜の王様のことをジャーキングと呼ぶわけですが、そのジャーキングとは今関係ない話で、なんかこう、寝るときにビクッとする現象ってのをジャーキングと呼ぶらしいんですね。
昨日の朝、ちょっとしたことがあって。本当はこれを詳細に書きたいのですが、書くと住所が丁目までバレる可能性があるのでやめとくとして、とにかく目が一回醒めて、「ゼル……」くらいまで思っていやでもそれはみたいになって、とにかく布団でうだうだしていたんですね。
それで、眠ったつもりは全然なかったんです。目をつぶって、ぼんやり、今日こそアレとコレをやらなきゃなあ、くらいのことを考えていて、わりと意識はあるつもりでいるというか、意識が途絶せず連続しているというか、そういう状況だったわけです。
それで、まあこっからおそらく夢なんですけど、その時は意識が続いていると思っていますから、夢だとは思ってない。
うーんまあ、起きるか昨日とかゼルダでさぼっちゃったし、って起きて、で、菜箸かな、なんか長物を持って、机の上を叩いてたんですよ。なんでって聞かれても困りますよ。夢の俺に言ってくださいよ。
とにかく叩いてたんです。机の上に積んでる何かを、均そうとしてたんですかねえ。よくわかんないんですが、その、やってるときは「普通の行為」と思ってやってますからね。ぽん、ぽんって均してたら、結構強めのキンッっていう、ガラスを叩いちゃったときの感じがあって、それでちょっと、机の……俺の机何でできてるか今考えてみるとよくわかんないんですけど、木? FRP? まあとにかく、そういう程度の硬さで、机の表面くらいの高さのところを叩くより、もうちょっと上でガラスっぽいものを叩いた感覚が確かにあって、でその時に思ったんですよ。
「あーそうだ、昨日白湯でも飲むかって思って沸かしたやつを入れてた、アレ(コーヒーメーカーの下にあるやつです、名前がわからん)を置いた上に、でぃって紙を載せてたんだったしまった忘れてたー、あー大丈夫かな割れてないかな」って思いながら目が覚めたんですね。
でちょっと??? ってなったんですよ。アレ俺今、菜箸で机叩いてなかったっけ? って。で、確かにそのコーヒーメーカーの下にあるやつは机の上にあって、でその、叩いた感覚はまさにそのそれ、あのくらいの高さにあるガラスのやつを間違って叩いちゃったときに手に感じる感覚そのもので、それは今も続いてる/泥にまみれても、突然の1987→が入ってしまいましたが、とにかくその感覚を持って起きている。
おそらく階段落ちの夢の原理っていうか、そういうことだとは思うんですよ。皆さんも見たことあると思うんですけど、階段から足を滑らせる夢を見て、足がビクッってなる、わけですけど、これ因果は、かなりの割合で「足がビクッとなる」ほうが先だって言うんですね。というのはどういうことかというと、ようするにこれがジャーキングなわけですが、入眠時に筋肉がけいれんする。でも入眠するところなわけだから、辻褄も文脈もあったものではない。でも「落ちた」感じがする。その感覚を整理するために、「階段から落ちた夢を見る」。
素朴なイメージとは逆なんですよね。逆、なこともあるというのが正確なところでしょうか。階段から落ちる夢を見たから、足がビクッってなるのではなくて、足がビクッってなったから、それに辻褄を合わせるために階段から落ちる夢を見たことにするというか、そこまでの流れを作り上げる、なんかそういうことだって聞いたことがあるんです。
で、まあ疲れてた(完全なる自業自得)、早朝に起こされた、緊張からの脱力、そういうのを総合して考えると、腕の筋肉にジャーキングが発生したんでしょう。なんかそういう状態だと発生しやすいらしいので、それは間違いない。足のビクッて感じは、ま、実生活でも階段踏み外したときとかに起こるので階段落ちの夢を見る。
じゃあ手がビクッて感じになることってあるか? あったんですよね。それが、俺にとっては、「そこにあると気づかずに、ガラス製品を叩いちゃったとき」なんだと思うんですけど、めっちゃくちゃ適切な感覚だと思うんですよ。もう叩いちゃってるからビクってなっても遅いんだけど、あーでもやべー割れちゃう、割れちゃってるかもーー! みたいな。その「ビクッ」なんですよね。
なんていうかなあ。世界五分前仮説みたいな、結構長時間の記憶ってねつ造可能だなっていうか、なんかそんなことを感じたんですよね。うつつ、だと思っているものは、あれこれと加工・処理が加わったあとのもの、っていうことについては良くわかっているつもりだし、なんだったらほかの人よりもそういうことを考えたり、自覚しているつもりでいたけど、現にこの「うつつ」部分が加工処理によって構成されたもの、そういうのが突きつけられてしまうと、ハーってちょっとびっくりするんだな、そういうことを思ったんですよね。まあ、そのインパクトも、「CDを焼く」が通じなかったには負けてるんで、たいして強くは思ってないんですけど。この話はここで終わりです。