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シンギュラリティの果てのラーメン

 美味しんぼには明確に狂ってる回(お吸い物を飲むために時空を超越する回とか)と静かに狂ってる回(栗田さんが「唐突にタイを!」って言い出す回とか)があって、どっちかというと後者かなっていうのがラーメン・マトリックスの回。

 あらすじとしては、ラーメンの話を書いてくれって頼まれた山岡さんがラーメン研究所に話を振りにいったら、ラーメン研究家にキレられた挙句、謎の巨大な数学者を紹介され、「ラーメンマトリックス」を作れと言われてホタテ味のラーメンを作るみたいな、そんな話で、どうでしょうこのあらすじパワー。なかなかのものがあると思うんですけど。

 でまあ、結局のところここで言うマトリックスは所詮12の要素にラーメンを分解する、というくらいに過ぎないわけですが、インターネットのみんなが大好きな「ラーメン三銃士」の出る回とかでもすごい話してた通り、ラーメン作ると一口に言ってもめちゃめちゃ要素があるわけですよ。

 鶏ガラにすんのか豚骨にすんのか、野菜はどうするなどなど。

 で、ほら俺はずっと海老味噌ラーメンを食いたがってるんですが、そういう海鮮系もあるし、この店はそもそもじゃがいもポタージュを入れ込んだラーメンってのがウリで、俺はバカ舌なのでそういう分かりやすく奇をてらったのが好きなんです。トマトラーメンとかも流行ってるじゃあないですか。この世には多数の食材があって、その中には人類未踏の組み合わせもあると思うんですけど、それを全て試すことは難しい。

http://negineesan.hatenablog.com/entry/2017/07/20/194708

 でこれとか読んでると思うんですよ。シンギュラリティの果てにはどんなラーメンがあるのかなって。今でも味測定器みたいなものはあって、だから全食材のデータベースはやろうと思ったら作れるはず。そして無慈悲な試行回数によって、究極のラーメンレシピを作る。

 ウサギの耳1:ワニの背骨4:豚骨2:パクチー0.5:アブラゼミ2.5が究極の味だ、みたいなことになるかもしんないじゃあないですか。そういうの、気になりませんか? まだ楽しみなことって沢山ありますね。期待age⤴︎⤴︎ って感じです。

3件のコメント

  • それは短編が一個書けるやつですね。人間の状態像を判定に落とし込むシステムと、それが観測不可能である状況さえできれば一本話ができる。
  • ははは、面白い。興味深いネタですな。
    実は実家がラーメン屋なんですよ。
    ただ、私が子どもの頃、22年位前と、実は味がまるっきり変わってるんですが(昔はガラで出汁をとってましたが、最近は食品添加物スープじゃないと、皆に「不味い」と言われる為ビックリするくらいスープが濃い味になってる)

    ただ、はっきりしている事は
    多分、昔の味まんま再現されたら、うちの家族みんな泣きながら食うと思います。

    そう言った環境要素+個人の思い出補正も加わるかもしれない問題ですね。
  • 実家がラーメン屋!!! 羨ましいことこの上ないですね。いや色々ご苦労はあるでしょうが……ハタから見ると……

    食品添加物を増やさないと文句言われるのはしばしば美味しんぼでも問題視されてますね。漬物とか。猛省したいと思います。

    個人差のところについては、まあ味蕾のチェックとかDNAとかのやり方であるレベルまでは漸近できると思うんですが、「思い出」まで行くとあれですね。「これに比べると山岡さんの鮎はカスや……」って感じになりますもんなぁ。今後の課題にします。
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