前ツイッターでみたおもしろツイートに、アニメファン? 特撮ファン? の「とりあえずここまで見て」の「ここまで」の範囲が長すぎるという話があって納得したんだけど、「とりあえず消失まで見て」とこうなるわけですね。アニメだと二期二十八話(しかもエンドレスエイトが8回入る)プラス劇場版、単行本でも3巻です。えーっと。だからそれを見るための宣伝をしろって言ってんだろ! そうですよねぇ。
まず長門有希から入りましょう。俺は逆にエヴァンゲリオンを知らないのですが、まあ綾波レイみたいな子ですよ(怒られそうだな)。綾波レイがどんだけ人気あるかと言うと、BUMP OF CHICKENがアルエって曲を作るくらい人気があるわけですが、まあそういう感じで、簡単にいうと人造生命体で、目的は涼宮ハルヒって女の子の監視で、たぶんプロトタイプまたは一号機なのでコミュニケーション機能はほとんどない。無表情で感情を持たないロボット的な存在だと思ってくれればいいです。
で、涼宮ハルヒの消失の若干のネタバレになるのであまり詳しくは語れないのですが、消失というのは考えようによってはこの無表情で感情を持たないロボット的な存在が、肉体というものを持ってしまったが故にそれに付随する精神、感情というものを獲得してしまい、獲得した精神、感情を全く理解しないままそれに振り回され、作中の人物もそれを正しく理解しないままことを収めるという話で、だからめちゃめちゃ悲しい話なのに普通の、ある意味ちょっといい話で、この悲しみに気付けるのは読者しかいないんですよ。
でこの悲しみに気づいてしまったらもう終わりで、我々は涼宮ハルヒの憂鬱シリーズを貪るように読み、ネットに転がるSSを読み漁って、そこに含まれる「真実」ってなんだろう、長門有希はどうやったら幸せになれるのか、あるいは今現在の彼女のありかたが幸せである「根拠」を探し求めるだけの存在になり果てるわけですね。そうこうしていると、ハルヒがかわいくなってきて(逆では?)、ハルヒはハルヒで深い孤独と絶望を背負った存在、にもかかわらず、奇跡的なバランスで彼女の孤独も絶望もどっかにいっちゃってるわけなんですね。やったーーーーー!! かーわいいーーーー!! すごーーーいいーーーー!!!!
違うわ。これはオタクが他人の気持ちを考えずに言いたいことだけ言って結果なんも伝わんないやつだ。やり直します。
えっと、話としては涼宮ハルヒというスーパーパワーをもつ女の子がいて、でも本人はそのスーパーパワーに無自覚で、宇宙人(かわいい)、未来人(かわいい)、超能力者(イケメン)、語り部(キョン)が本人にそのスーパーパワーを自覚させないようにしつつアレコレやる、という話です。基本的にはこのスーパーパワーに翻弄されながら楽しくやるという話で、だから気軽に読めるし、男性だったらかわいい女の子も出てくるし、女性だったらイケメンもいますし、ライトなノベルです。で語り部のキョン君の語りが軽妙なのでスラスラ〜っと読めて、はっきりとした恋愛模様はないんですけどちょっとそういう描写もあってトキメキも感じられたりして、ストーリーはそこそこSF的にちゃんと成立してるんで話としても面白い。読んでるうちにSOS団、ってのが涼宮ハルヒを中心とした集まりなんですが、このSOS団のことが好きになって、うわーずっとこのメンバーで楽しく明るくやってて欲しいなーって感じになる、そういう話です。
えーこれもどうかな。読みたくなります?
いやどうすればいいんだろう。説明がとにかく難しい。
「これ」というものを一つさすとしたら「消失」なんです。なんだけど、それは少なくとも「憂鬱」が前提で、じゃあ憂鬱単独は、というと結構顔合わせですよ的なところがあってですね。でもまあ平凡な日常を生きるキョン君が、あれよあれよと言う間に非日常的存在にとりかこまれて、そんである「行動」をとって、その行動に至る背景、ってのは文脈という意味ではなくて、ほんとにその後ろにある背景画像、を含めて考えるとすごい美しいボーイ・ミーツ・ガールなんですよね。ってのでどうでしょうか。面白そうではないですか?
いや難しいなぁ……。