書くことというのは何かそこにあるものを捕まえることではなく、零れ落ちていくなにものかをなんとか零さないように掬い取ることなのかもしれない。
というのは、大将の「肉みそラーメン」なんてラーメンの話をするのであれば真っ先に書くべきはずであったのに、すっかり忘れている。まあまあはっきり言っておきましょう。激うまではないです。しかし、これはある意味道民のソウルフードでもあるのです。道民のは言い過ぎた。北区民の。
大将は、北18条から24条付近に偏在するラーメン屋のことを言います。なんか発寒とかにもあります。北18条店の最大の特徴は深夜3時まで空いていること。だいたいあのへんって学生街なので、まあ終電前後で閉まる店が多いんですが、「なんかそれ、うちと関係あります?」みたいな顔して延々と空いている。でそこそこ人もおる。
肉みそラーメン、肉チャーハン(肉チャーハン……)、ともに豚のあれはバラなんですか? なんか味が付いた肉が乗っていて、これが暴力的な脂感と、しょっぱさ。繰り返しますよ。激うまではない。でもソウルフードではあるのです。
俺だってたまには疲れるくらい働くこともある。
終電なくなって、ひいこらいいながら歩いたり、あるいはタクシーで近くまで戻ってきたりして、ふ、と目を上げるとそこには大将の灯り。疲れた体。澱んだ心。くだらねえ世の中。
そういうときに頼むラーメンです。そういうときの染み入り方はやばい。
あとはたぶん、体育会系の人とかは普通に楽しく食べてると思いますが、俺はそういう感じです。ラーメン情報は以上だと思います。