サウンドノベルと言えばやはり「かまいたちの夜」であり、そしてたぶんこの感覚は若干歪んでると思うが、「かまいたちの夜」=パーティゲームという謎の結びつきが俺にはある。
と言うのは、俺は当時かま夜を持ってなくて、でそれを買ったある種先見性のある友達がいたんだけども、さっぱりつまんないみたいなことを言うので、どんなゲームなの、と聞いてみたところ、
「なんか……字がいっぱい出てきて、あと青い人がいる。でよく分かんないからAボタン押してたらたまになんか選べんだけど、すぐ選べなくなる。そもそもゲームがはじまらない」
という。たしかにそれが本当ならどうみてもさっぱりつまんないゲームである。
ラダトーム城を青い人がうろついてる。
王様が延々とアレフガルドの歴史を語る(闇に包まれた時代に、天に開いた大穴から異世界人がやってきて……)(おや、ドラクエ3もよく考えたら異世界転移ものですな)(地球で(チート?)能力を育んで異世界で発揮するあたり、転移の意味はあんまないが)(オルテガの血がとにかくすごい)。
「はい」「はい」と返事をしてたらゲームオーバーだ。つまんな。
もちろんかま夜はそういうゲームではなくて、つまり小説なんだけど小説の主人公の選択を自分で決めれるということである。
友人宅で小馬鹿にしながらそのゲームを起動した俺はそのことに気づいていたく興奮したもんである。
これは凄いことだ!!
と口角泡を飛ばして大力説し、そんで俺がダイジェストを話しながら、どの選択肢を選ぶかを議論しながら進めることにした。
(お気づきかもしれないが、北海道では1990年代の後半まで識字率は極めて低かったのである)(嘘ですが、そうとしか思えないエピソードですねこれ……)
ちなみにかま夜は主人公とその彼女に名前をつけられる。
なもんで、主人公は「ミツグ」(俺はナルシストなので、だいたいのゲームに自分の名前をつけ、たまに取り返しのつかない傷を負う。バハラグとか。天地創造とかもちょっと辛かった。マザー3とか……)として、彼女の名前はちょっと迷ったが、まあ少し気になるあの子、これが本当にカケラも名前が思い出せないので、きっとなにか抑圧があるのだろうが、とりあえず仮で「ユキ」あたりにしておきましょうか?
そんでまあ、ユキとともに嵐の山荘に閉じ込められた俺たちは、「正しい」と思われる選択肢を相談しながら選んでくわけですが、そうするとどうなるかと言うと、ミツグがユキにスキーのストックで刺されて殺されるわけですな。一瞬呆然としたあと、俺たちはゲラッゲラ笑った。
「ミツグ殺されたぁ〜〜」
「ユキ怖え〜〜!」
ってなもんである。これリアルネームつけてみんなでやると本当におかしいんで、機会があって精神年齢を10代前半とかに戻せるなら是非やってみてほしいが、とにかくそれで俺たちはハマった。次はってんで、
「イツキ」と「ソノウ」(両方仮名)のペアを組ませたら、「今度はイツキがソノウを殺した……」みたいになり、まあそんな感じで、適宜カップルというか、実名でやってなんとか生き残ろうとする、あるいは運命に翻弄されるのがほんとに面白いのである。
ちょっと長くなりすぎて家を出る時間になったので、えっと、明日に続く!(斬新な近況ノート)