トランプ大統領になって割とショックだったけど、それはどちらかと言えば自分がリベラル寄りであった事に無自覚だったのがショックだった
そんで、『ウェットガール』は2019年の話で、アメリカは女性大統領になる態で考えていたんだけど、これも真逆になって、クリントンみたいに女だからって舐められないために逆にマッシヴさを強調する、またオバマみたいに秘密裏に暗殺部隊を活用するんですよみたいな政治的なタームが割とどうでもよくなってしまった(これはリベラルとポリコレの欺瞞性の敗北だから)
つうのも、トランプはたぶん孤立主義傾向で、他国の揉め事には干渉しませんよ、内政重視だ、という印象なので、(もとから暗殺部隊は合衆国資本ではない=アメリカ・イスラエル・英国連合辺りとしていたものの)政治的正しさを笠に着て気に入らないやつを秘密裏に殺していく的な「認めた弱者以外は殺していい」の理論が、もう現実において既にひっくり返されてしまったからだ
もともとアノニマは少女兵で(『武装少女』のころは)ポリコレで言う所の保護されるべき弱者なんだけど、これが物理的にめっぽう強かったために、弱者であるはずの者が自衛のためにと称して殺す、弱者なのに刃だけは研いであって、かつ信念に頑固だとノブレスオブリージュとか義務だとか、あるいは正義が発生してしまうとか、そういうやり切れなさがあったんだけど、これは元来ネットの匿名者の強さと並行していたはずで、だから匿名者でアノニマだったのだが、信念や信仰無き者を啓蒙の精神で照らす(それでも蒙昧なら、殴っていいみたいに今はなっている)、という事はしたくなくて、リベラルだとか多文化主義だとかを実践しようとすると、結局分離主義とか排斥、棲み分け――または孤立主義が実践的ということになってしまう
グローバリズムとか国際化が駄目だった、というのが個人的にはキツくて、グローバル資本主義は結局途上国を奴隷にすることで成立してるし、それを無視することで低賃金の先進国の大衆の生活が成り立つわけだけど、まぁ日本だと江戸時代からの江戸しぐさよろしく自国民を奴隷化してるわけだけど、いずれにせよ、外交――コミュニケーションが失敗した、というのがキツい。
創作行為はコミュニケーションである、つうのがあるわけだけど、わりと一方的な押し付けであって、むしろ互いに押し付け合っているだけ。という印象のが強い。リアルタイムでもないわけだし。だいたい解釈の多様性とか作者の死とかあるわけだから、テキストを読んで想像や解釈を広げるのが読者であり、それは作者には基本的には観測不可能だから、だいたい意図とかが正しく伝わるわけもないわけで、意図してないところを読み込む場合もあり、結局やるようにやるし、読みたいように読むだけなんだよな、となると、宗教過激派が積極的に聖典を曲解して誤読してテロる感じと繋がってくるわけで……
目的や結論が常に先にあり、その解釈や理由付け・正当化は常に後から付ける。というのがある。これ(脱構築、積極的な誤読)を解体しないと、テロリズム批判が出来ないんじゃないかなーとか思うけど、それもまたどうでもよくもあり……
だから主体性を持った自分、みたいな主張をするほうがウケたんだよね、トランプは(それは欺瞞じゃないから)