「え~、何とかスランプを脱することができました」
「スランプというか、あなたが文章をこねくり回し過ぎたせいで、書くべきことを見失ってただけでしょう?」
「そうなんだ。結局迷いに迷ったあげく、落ち着いたところは下書きに近い内容だった。2週間以上も悩んだ時間を返して欲しい」
「まるで、ずっと書き続けていたような口ぶりね」
「えっ?」
「確かに小説を書いていたのは事実だわ。でも、それ以上にあなたが何に打ち込んでいたのか教えてあげましょうか?」
「ち、違うんだ! 『SMM』は単なる息抜きだよ! ずっと書き続けていても答えが出なかったから、思考を切り替えるために――」
「それにしては、結構本格的なコースが完成しちゃってたみたいだけど?」
「ギクッ! そ、それはですね……やはり創造を生業にする者のサガというか――」
「誰が創造を生業にしているの? 創造じゃなくて想像。単なる空想でしょう?」
「う、うぐっ……」
「だいたい『スーパーMM』なんかに手を出して本当に大丈夫なの? あれは別名『無限オッサン地獄』とも呼ばれる、永久に終わらないゲームなのよ?」
「確かに。現時点で既に投稿が700万を超えているあのゲーム。仮に遊ぶ側に徹したとしても、一生かけても遊びきれない。でも、俺だって分別のつく大人だ。息抜き程度に遊ぶにとどめるさ」
「本当かしら?」
「そ、それが証拠に今日アップする3話分の予約投稿は、もう済ませてある! やることはやってるんだ! 別にいいじゃん!」
「いいじゃん……なんて言葉を使う歳でもないでしょう? それに、いったい幾つまでゲームをするつもりなの? 読もうと思いながらほったらかしにしてる小説もたくさんあるんでしょう?」
「うぐぐっ……」
「どう生きようが、すべての結果は自分に跳ね返ってくる。それが分かっているのなら、私に言うべきことは何もないけれど」
「え~、というわけで『SMメーカー』はとても面白いゲームですが、くれぐれもやり過ぎには注意しましょう!」