今回の過去編で出てきたキメラたちは、鎧を除いて全部ガイバーのオマージュです。
ゼクトール、ザンクルス、ダーゼルブ、エレゲン、ゼンクルブ、その他もろもろ。
だってかっこいいんだもん。
見た目と能力はガイバーに出てくる獣化兵ですが、生態そのものはベルセルクに出てくるトロールに近いです。
でも元ネタがそれというわけでもなくて、キメラに襲われた女性の繁殖形態は子供のころに読んだ(たぶん)仮面ライダーブラックのコミック版と瀬名秀明氏のパラサイト・イヴが元になってます。
仮面ライダーのほうはそもそも仮面ライダーであったかどうかさえ記憶が曖昧なのですが、どこかの洞窟の中で裸の女の子が大勢壁に拘束され、そこに蜂に似た怪物が女の子の体に卵を産みつけ、孵化した幼虫が女の子を食べていた様な記憶があります。先述の通り記憶にはまったく自信が無いので、もしかしたら全然違うかもしれませんが。
で、パラサイト・イヴのほうは主人公の奥さんの腎臓を移植された女の子が怪物イヴの子供を妊娠させられ、ものの数分で臨月を迎え出産に至っていました。
それを読んだとき思ったんです。
もしそんな成長速度で胎児が成長したら、母体になった女性は急激に成長する胎児にカロリーと栄養を喰い尽くされて死んでしまうんじゃないかと。
曖昧な記憶とその想像がトロールの胎児(ベルセルク25巻のお腹がボン)を目にして結実し、最終的にああなったわけですね。ファルネーゼとキャスカの目の前でボンした女性はあんまり痩せてなかったけど、キメラの場合はガリガリです。
作中でも書いてますが、人間同士の交配と違ってキメラの繁殖行為は失敗しません。母体の排卵時期とかのタイミングに一切関係なく、受精済みの卵子の様なもの(キメラ学では『胚』と言います)を子宮内部に直接送り込むからで、これが体内からホルモンバランスを狂わせて胎盤を形成、そこから母体の熱量と栄養を根こそぎ奪い取ります。
このため臨月に至ると母体になった女性は栄養失調で瀕死の状態になり、またキメラも普通の出産の過程を経ずに腹を喰い破って生まれてくることが多いので、母体になった女性は必ず死亡します。
なお、過去編の時代では母体になる女性の栄養状態がさほど良くないので、出生率はさほど高くありません。現代パートでも未熟児のまま生まれて死んだキメラがいます。
ちなみに過去編で最後に戦ったキメラはイヴィル・アプトムがベースになっていますが、胸郭内部に生体冷凍装置を備えています。速水さんの能力ですね。代わりにモレクル・アクセラレーターは備えていません。
フリーザ様のものと違ってエアコンの室外機の様な仕組みなので、冷凍ガスの発生の際に二酸化窒素が発生する様なリスクはありません。無論それとは別の危険もあるでしょうけどね。アルカードは高圧側の配管を切断して冷媒を漏出させることで、下半身を凍結させていました。
ガイバー・アプティオン、普通にバイオフリーザーを使ってるけど、体内に膨張エンジンと熱交換器を構築する設定はどこに行ったんですかね。
また肩の一方に生体熱線砲、もう一方に生体炸裂弾の格納容器を備えています。ネオゼクトールの肩みたいなやつ。
ここらへんまできてしまうとガイバーを読んでないと話についてこられないですね。元ネタがあれだからね、仕方ないね。