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【閲覧数とかわかる様にしてほしいよね】そうしてくれればやる気も出るのに。

 ヤクザ皆殺し回。BGMはターミネーターが警察署襲ったときのあれで。
 儀典魔術『無音殺傷(サイレントキル)』は効果範囲内の空間と接続した流体、気体や液体の振動波や音波、衝撃波、圧力波等の伝播速度や周波数を抑制する効果を持ち、これをされると効果範囲内で発生する音や振動、衝撃波、圧力変動等が抑制されます。結果周囲で発生する音の音圧、つまり音量が極めて小さくなり、爆風などの速度も低下して、近距離で爆弾が爆発してもほとんど影響を受けなくなります。
 音の伝播速度や周波数を低下させる特性上、音響反響定位(エコーロケーション)などの音波探査や共鳴周波数をチューニングして目標を粉砕する等の攻撃手段を無効化します。大声で叫んでも聞きとれなくなるため、使用状況によっては味方とのコミュニケーションや連携に支障が出ることもあります。

 『無音殺傷』が効果を発揮するには設定された空間が開放されている必要があり、缶詰の中身の様に完全に気密された内部に対しては影響が及びません。手っ取り早く言うと、設定された範囲内にあって、かつ空気や水等が自由に行き来出来る空間が効果範囲になります。このため襖や扉などが閉ざされている程度なら、『無音殺傷』は問題無く効果を発揮します。
 先述したとおり完全に密閉され気密が保持された空間には効果が及ばないため、自動拳銃や自動手動を問わないライフル等は影響を受けません。
 ヤクザやアルカードが『無音殺傷』の影響下でもトカレフ自動拳銃を問題無く発砲出来ていた理由がそれです。
 対してリボルバー拳銃はシリンダーと銃身後端部に大気開放された隙間があるため、銃弾が完全に薬莢から離れた瞬間に『無音殺傷』の影響を受けて発射ガスの膨張が止まってしまいます。
 このため銃身後端のフォーシング・コーン(薬室と銃身が完全に分割された構造上、射出された銃弾がスムーズに銃身に入れる様に銃身後端部に設けられたテーパー状の部分)のライフリングに弾頭が中途半端に喰い込んで止まるという、最悪の止まり方をして銃自体が使いものにならなくなります。
 シティーハンターや次元大介の天敵ですね。

 あ、ヤクザが使ってたトカレフTTですが、実際に中国から密輸されており、俺が子供のころ社会問題になっていました。
 MASTERキートンでもネタにされています。
 トカレフ自体は旧ソ連時代にロシアで開発されたもので、作中に登場するものは中国製のコピー品です。
 当時(おそらく今でも無いわけではないと思いますが)密輸されていたものはノリンコによって製造された軍用正規品の横流し品や規格外品、中国国内での密造銃などがあるとみられており、作中に登場するものは軍用品の横流しです。
 人民解放軍正式採用の54式手槍(ショウチァン)ってやつですね。
 もともとはソ連から部品を持ち込み、中国で組み立てる、インテグレーテッドインチャイナだったのですが、このノックダウン生産の51式手槍はのちの中国とソ連の関係悪化に伴いソ連の技術者が帰国、部品輸入も途絶えてしまいます。そのため中国は残った現物を元に、国内でのコピー生産に踏み切ります。それが54式手槍です。

 国内生産の弾薬は装薬の組成が違うのか、ロシア製オリジナルよりも銃口初速が速いそうです。これは銃の違いというよりも発射物の違いですね。弓矢の威力開発が鏃の改良によって行われてきた様に、基本的に飛び道具の殺傷能力や作動の円滑性は本体ではなく発射物によって左右されるので。
 ソ連製オリジナルの弾薬は弾頭が鉄で出来ており、比重が軽いぶん射程や衝撃力で劣る半面貫通力は高く、グレードの低い抗弾被服を貫通するため、アメリカではCop Killer、警官殺しの異名を持っていました。鉛よりも硬いため、ライフリングの摩耗は早かったんではないかと思われます。
 中国で生産された54式手槍の弾薬の材質ははっきりしませんでしたが、オリジナルに準じて貫通力の高いものとしています。

 ちなみにトカレフ自体は手動の安全装置を備えていません。これは構造上の欠陥というより凍結によって動作不良を起こす確率を下げるために可動部分を極力省略した、地域に合わせた設計の結果で、代わりに内部構造を工夫して撃鉄を不用意にリリースしにくい構造にすることで暴発を抑えています。
 実際、トカレフは第二次世界大戦中に軍用拳銃として使用された銃の中でもっとも部品点数の少ない銃となっています。
 この結果として自動拳銃としてはかなりトリガーが重くなっており、これを解消するために内部のスプリングを交換すると暴発が起こり易くなります。
 またアルカードは『工作精度が低い』『粗製乱造を地で行く』と評していますが、ソ連製トカレフは公差をやや大きくとることで塵埃や泥水が入り込んでも確実に作動することを優先しているともいえます。54式手槍? まあ、国自体が粗製乱造の結果みたいなもんですからねえ。
 でも思想を抜きにして中立で話をすると、ナチスがソ連に攻め込んだときなんかにはワルサーP38やルガーP08といった高精度で製作されたドイツの軍用拳銃が凍結やそれによる強度低下、異物混入で作動不良を頻発するなか、トカレフは確実に動作していたそうです。
 実際問題として西側諸国のアサルトライフルがトラブルを頻発するなか、AK-47とそのコピー品は実戦において確実に作動すると評されており、多少精度で劣っても確実な作動を優先する軍用品としては第一線級の製品だと言えるでしょう。

 中国から密輸されたトカレフの中には全体にクロームメッキが施されたものもあり、ヤクザの間では銀ダラと呼ばれているそうです。
 もともと共産圏の銃は銃身にクロームメッキを施すことで、銃身のライフリングの摩耗を抑える処置を施すことが多いんですが、銀ダラの場合は部品の摩耗した銃に耐摩耗性の高いクロームメッキを施すことで摩耗を抑える延命処置ではないかと考えられています。戦後に警察予備隊に供給されたM1ガランドの銃身なんかにも、同様の延命処置がされていたそうです。 

 なお、専門誌Gunでの誌上インプレッションにおいてスライド内部での変形とそれによる動作不良が起こる事例が報告されており、寿命はあまり長くない様です(これに関しては、オリジナルのトカレフなのか黒星なのか覚えてませんが)。

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