お疲れ様です。B3QPです。先週末公開の「雨のプロメテウス」、ある友達に大阪弁の不自然さを指摘していただき、少し修正いたしました。
雨のプロメテウス
https://kakuyomu.jp/works/16818093079736383952さいかわ水無月賞応募作、テーマは「雨」。
まず、選考期間の短い自主企画賞にも関わらず、完結宣言後の本文訂正を行うのは大変心苦しく、申し訳ありません。最初に読んでいただいた方の印象を損なわないよう、微修正に留めたつもりです。
なお、この作品は現代文で書かれており、話されているのも当時の言葉ではありません。しかし、現代から見てもわかりやすいよう、「それらしさ」を表現する必要がありました。メインキャラクターは強気な商人の娘と弱気な武家の子です。前者の方を強めの関西弁にすることで、それを表しているつもりです。
その前提の上で、本場の方の意見を聞き、以下を訂正しました。2行目が訂正後の大阪弁です。
「夢か幻か分からなくなるような感じがええんや」
「夢か幻か分からんくなるような感じがええんや」
「計算に入れております」
「計算に入れとります」
「おまきさんは、気にしないでください」
「おまきさんは、気にせんといてください」
「全部、渡したままだったわ」
「全部、渡したままやったわ」
「良くない噂を聞きました」
「良うない噂を聞きました」
「乱暴な人だとか」
「乱暴な人やとか」
「出版に前向きではないと聞いています」
「出版に前向きではないと聞いとります」
「秘密にしていることも、ありますゆえ」
「秘密にしとることも、ありますゆえ」
以下は、訂正を行わなかったものです。2行目の方が大阪弁です。
「解き明かしたらあかんものや」
「解き明かしたらあかんもんや」
「そんなものが、この天地の間に、あるのですか?」
「そんなもんが、この天地の間に、あるんですか?」
「本当に死にますよ」
「ほんまに死にますよ」
「ですか」「ますよ」は、「でっか」「まっせ」の方が更に大阪弁ですね。しかし、これを直すと、思弁的な問いや深刻な言葉が、なぜか軽めに響いてしまいました。これは、大阪の漫才を聞きすぎた現代人の誤解なのかもしれません。不適切な表現かもしれませんが、これらは、初稿の印象を保つことにしました。
上記とバランスをとるため、以下もそのままとしています。彼は「の」を「ん」とは言わない傾向があるのだ、と思っていただければ。
「気の流れを阻む力が弱いのです」
「気の流れを阻む力が弱いんです」
「懐に仕舞っとるのです」
「懐に仕舞っとるんです」
また、全体的にですが、「なやいか」は男っぽく強すぎると思われ、女言葉では「なやいの」などが自然だそうです。これらは、漢文を書く男勝りな主人公の語気の強さを保つため、そのままにしました。ただ、以下の「おい」はそれが際立つそうなので、別の言葉で代替した方がよいかもしれません。
「おい、うちにくるんか」
「おい、人前で見せんといてや」
しかし、今朝はもう時間がなく、繰り返し訂正するのも読んでいただいた方に失礼かと思います。とりあえず、ここまでにしておきましょう。