こんにちは。Azurite(藍銅鉱)です。
改稿版『飛鳥』にお付き合い下さっている皆様、他の拙作を読んで下さっている皆様、ありがとうございます。
普段は自サイトにひきこもり、Twitterで読ツイを流している程度で……たいして面白い話もしておらず、恐縮です(^_^;)
たまには雑談を……と思い、出て来た次第です。
『飛鳥』シリーズでは遊牧民が登場していますので、ちと馬の話など。
トグリーニ族は、古代スキタイや匈奴、突厥、カザフ、モンゴル等、複数の遊牧民をモデルに創った架空民族です。現存する資料はモンゴルに関するものが多いので、どうしても、モンゴルに近くなります。
作中、トグル(ディオ)は愛馬に「ジュベ(神矢)」と名をつけていますが、これは一般的ではありません。普通、遊牧民は、毛色や走り方などで馬を区別しています。ところが、この種類が凄く多いのです(基本18種、組み合わせると200種類以上になるそうです)。
日本語では「黒から薄くなる順に」青(黒)、栗毛、栃栗毛、鹿毛、河原毛、糟毛、葦毛、粕毛、……などと言います。
モンゴル語では、同じ青毛でも、青っぽかったり薄かったり……で、さらに細分します。黒い馬は、青っぽい黒はフッフ、やや薄青いとツアインヒル、ただの黒はハル、薄くなるとサーラル。鹿毛はヘール、茶色身が薄くなるにつれフルン(栃栗毛)、ゼルドゥ(栗毛)、ツァビデル、ホハァー。葦毛(青っぽい白)はボル、真っ白な馬はツァガン、黄土色(河原色)の馬はシャルク……です。
年齢でも細分化されています。当歳馬はオナガ、三歳馬で乳歯が生え変わっている(ヒャザラン)か否(シュディリン)か、去勢されているか否か。六歳以上の去勢されている成馬(モリィ、イクナス)か、種馬(アズラガ)か……。十四歳までを18通りに呼び分け、さらに牡か牝か、性格は素直か、頭は良いか、走り方は……などで区別します。
乗用するのは、去勢した牡の成馬のみで、牝に乗ることはあまりありません。種馬も乗用には使いません。
だく足(側対歩、ジョロー)の馬は乗り手への振動が少なく乗りやすいので、重宝されます(お値段も、普通の馬より高い)。生まれながらのジョローもいますが、調教することもあるそう。
遊牧民は、個人が騎乗する用の馬を数頭用意していて、速い馬、牧畜用の馬、長距離に向いた馬、お祭りに行くときに乗るおしゃれな馬、などと乗り分けをしています。
トグルの愛馬は、モンゴル風に呼ぶなら「フッフ・ジョローモリィ(青味がかった黒毛の側対歩の六歳牡)」でしょうか。駆歩が得意な「ホルトンモリィ」かもしれません。きっと、黒い馬ばっかり沢山飼っていて、一番のお気に入りに名付けているんだと思います(^_^;)