原題『マリーのコップのお花と領主様』だったんですが、冗長というか…しまりがない感じがしたので、マリーを取っちゃいました。
『渓谷にて』で、マリーが急にヴァルナルに「お父さんって呼んでもいい?」って言うシーンを書いているときから、ちょっと作者的にはこの二人の関係性を省いちゃったなぁ…というのがありまして。
気にならなければいいのですが、いきなり二人が距離詰めてきたので、ちょっと違和感を持った方がいらっしゃったんじゃないかと。
今回の番外編で少しでも回答できたかな? と、思ったりするんですが、どうでしょう?
ちなみにマリーはオリヴェルに、ある助言をしていますが…
「マリーが…言ったんです。もしかしたら、父上は僕が倒れたのが、自分のせいだって思っちゃったんじゃないか…って。僕を驚かせて倒れさせちゃったから、会うのがこわくなっちゃったんじゃないか…って」
(『第百十二話 氷解のとき』 より)
この助言も、今回マリーが実際に自分が体験したことでもあったからなんですよねー…っていう。
マリーはヴァルナルが小さい自分にとても気を遣ってくれていることがわかったので、この父子の互いに不器用な優しさから生じた距離というのも感じ取ったのかもしれません。
ともあれ、ミーナさんのちょっとした苛立ちなんかも描けて、作者的にはなかなかえぇ感じの番外編でございました。