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あとがき『北阿古霜帝国民族誌 人食いと鳥かごのザデュイラル』

北阿古霜帝国民族誌 人食いと鳥かごのザデュイラル - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/1177354054890489396

 異世界異文化モキュメンタリーファンタジー、本日無事完結いたしました。
 本作は世界観を徹底的に練り上げてやろうという目標があって、「架空のエスノグラフィー」と「人間ドラマ」の双方を取り込んだ贅沢な一本となっております。
 というのも、「悪魔や魔族と呼ばれる種族が本当にいたら、それはどのような文化と社会を築くのか」という考察が本作の発端です。
 その結果として「カニバリズム」を中心に据えました。
 人食いと共食いの特性を持ち、それを肯定した文化風習の民族。実に「悪魔」と呼ばれるにふさわしい。角を保たせるかどうかは最初迷いましたが、結果的に正解でした。

 カニバリズム、人肉食、食人習俗、食人鬼。そういった言葉を聞いた時、様々なイメージが想起されることでしょう。本作ザデュイラルは、そうした先入観どおりの部分と、先入観とは異なった部分とそれぞれに出会うと思います。
 作中でも言及されていますが、カニバリズムというものは、一定以上成長した社会ではぴたりと止まる「都合の悪い」風俗です。ですが、種族的特性でそれが起こらず、近代国家に至るまで人肉食を続ける社会とはなにか?
それはいわゆる未来のディストピアで、資源節約のため無能者を食肉として処理するような形態ではありません。食文化、宗教、歴史、そうしたものの果てに生まれた景色を描く幻想民族誌です。

 ただ、本作は春に新人賞への応募を考えているため、3月をめどに一旦非公開にして取り下げます。いただいたレビュー、コメントは大事に保存させていただきますので、ご興味がお有りの方はお早めにご覧いただければ幸いです。



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