つるかけ閑話②

 かなーり間あきましたが「剣の刃が欠ける頃」の閑話、第二段になります。
 (以下、つるかけと呼称)

 まず最初に、週間SFランキング97位にランクインしました。感謝感激雨あられです。まさか自己満足で書いている作品がランクインすることは無いだろうと思いのびのび、または好き放題に筆を走らせていたのですが、少なからずわたしの作品を「面白い」と感じてくれる方がいらっしゃるのかな、と思うととても嬉しいです。今後ともよろしくお願いします。

 さて、今回は登場人物について。

 第七PG中隊を中心とした、主要人物についてちょっと語っていこうかなと思います。


・日計 洋一
 本作における主人公になります。年齢は物語開始時で二十一歳、成人して間もない、つい昨日まで少年だったような人物です。

 見かけは平凡から美青年の中間くらい、特に目立つ性格でもなく、現代に溢れる普通の若者代表といった為人。特に何も執着することは無いけど、だからといって冷めてるわけでもない彼がこのような人物像となっているのはもちろんそうあれかしと求められたためです。有体に言えば、つるかけの主人公として存在するために必要な性格などを詰め込んだ結果、日計洋一という人格が出来上がったともいえます。

 詳しく書くとただのネタバレになるので割愛しますが、日計の人物像として重視しているのは、どこにでもいる、だけど誰にもない何かを備えた、ある意味で破綻した人間性です。

 鞘におさまっている限りはひとつの象徴としての意味合いが強い刀ですが、一度抜き放てば兵器としての実用性、鍛え抜かれた鋼の質感に圧倒されるような、そんな人物をイメージして描くようにしています。

 けっこう思い入れとしては強いキャラクターで、執筆が続いている今でも「成長したなぁ」と一入に感じる人物の一人です。また、書いていて勝手に動いた回数が最も多いキャラクターでもあります。それ故に今では当初の想定よりもだいぶ成長した主人公として、わたし自身もつるかけを楽しむにあたり重要な要素のひとつとして君臨しています。

 今後、彼がどうなるか、どうなりたいのか。それがひとつのテーマにもなっています。


・鷺澤 朱里
 つるかけのヒロイン。年齢は日計と同じ、少しきつめの性格をした女の子。

 これはわたしの持論なんですが、男女でカップリングする際は相反する属性を持たせたいんです。で、今回の日計と鷺澤という両者についても同じで、冷静沈着な状況判断や論理的思考、疑問に対する回答を積み重ねることで世界と向き合っていく日計洋一に対し、鷺澤朱里は己の倫理と道徳、明らかな悪に対する怒りを原動力として世界を切り拓いていく人物です。人間の世界観というものは、肌の内と外、どちらに軸を置くかという点が大きく影響します。

 正にこのカップルは、人間の知性が思い描く世界を別の視点から眺めている。それは相性の悪さ、相容れない点が多く存在し得る理由にもなりますが、両者を結び付ける深い絆と共通のトラウマを持つことで知性の間に横たわる溝を埋めています。また、多くの戦闘を経てこの二人の関係性をどう変化させるか、その過程で見出さねばならないことは何なのか、それがつるかけという作品の中で最も重大ともいえるテーマへと繋がっています。

 と、鷺澤朱里というキャラクターは日計洋一のヒロインというより、彼と対を為すもう一人の主人公です。また、リアルロボットSFと言い張りながら自衛官がセミロングってどうなんだ、とも思いましたが、正直なところ鷺澤朱里というキャラクターに対してショートヘアは個人的にあり得ませんでした。気の強いヒロインというよりも、芯の強い一人の女性として描きたかったという点もあります。

 今後の彼女の行く末についてはほぼ確定しておりますが、果たして日計とはどうなるのか、戦争の中でどんな役割を果たしていくのか、乞うご期待です。



 今回はこの辺で。

 誰に需要があるんだって話ですが、わたしが書きたいだけだからいいのです。たぶん。

 それでは。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する