相良あざみ

もって二ヶ月――そう告げられた私。 ああ、私が一体、何をしたと言うのか。

高層ビルの屋上で、少女は軽やかに、制服のプリーツスカートを翻す。 私はそれを、目に焼き付けた。

高校の教員であるいっちゃんこと一路は、赤い陽に染まる教室で目を覚ました。 そこで出会った、黒いセーラー服姿の見知らぬ少女。 少女に促されるまま、一路は歩き出す。 (この『くく…

横丁の横にそれた細い路の行き止まりに、ヨゴト画房と言う店がある。そこはその名の通り画房であり、そして、詛(のろ)いを売る詛い屋でもあった。 その店主、亘乎とその養い子の詞葉。亘乎…

アカハライモリと私と自己の発露。 発露、はつろ、なのだろうか。

四つのお題の中から三つ以上を選んで二時間半でお話を書き上げるという、「にごたん」という企画に参加したお話達。 一時期つけて頂いたあだ名は「偏愛の人」 サイコホラーしかありません。

私流SF。誰が何と言おうとSF。 三話完結です。 　それは、私がこれまでに見た女の中で、一等美しい女だった。 　座敷牢の中へ閉じ込められていた二本の角が生えた女、紅葉と、羽…

小樽という街を澄ました顔で歩きながら、ちょっと得意になってみる――そんな私の休日。

朝、アラームを止めてベッドを出るまでの間。 お昼、ご飯を食べたあとにお茶を飲みながら。 夜、浴槽にお湯が溜まるのを待ちながら。 そんな、ほんの少しの隙間時間のお供にしてほしい、短…

教会を呪った。 女神を呪った。 女神を信じていた自分自身を、呪った。 火刑に処された女は、その日、新たに産み落とされた。 (今のところサワリだけです) (実在の宗教や団体に…

早百合ちゃんの肩に乗った『白』。私は、見て見ぬふりをした。 (いじめに関する描写があります) (この小説は以前小説家になろうにて別名義で公開したものです。現在は削除しています)

お題を頂いて書き上げた掌編集です。 参加出来なかった外部企画にごたんのお題をお借りしています。 色々なジャンルごちゃ混ぜ(になる予定)

鳥籠館と呼ばれる洋館があった。 地下に作られたホールでは、新月の夜、妖しげなコンサートが開かれている。 聞こえて来るのは、女の謌(うた)――怪奇的で幻想的な、美しい謌声だった。 …

女は、自らを猟人ーーウェーナートルと自称していた。 ただ、それを告げる為の存在は、どこにも無い。 けれど女は出会ったのだ、農夫ーーアグリコラと名乗る男に。

心友だよと無邪気に笑い合ったハルと私。 変わってしまった気持ちと、変えられない私達の関係性に、私はただ、口を噤んだ。

『私は、人を、殺しました』 そんな言葉が、廃墟の壁に書かれていた。 (3/9、改行、ルビを追加)