• ミステリー

「榊原シリーズ」の長編三作と、「復讐代行人」シリーズの長編一作をカクヨムでも公開します。

 お久しぶりです、奥田です。大変長らくお待たせする事となりましたが、なろうで掲載している「名探偵榊原恵事件ファイル」シリーズのカクヨム掲載第四弾です。今回は『原田山13号遺跡事件』『殺人名刺』『故意か過失か』の三作品に加え、「復讐代行人」シリーズの一作である『復讐代行人 心臓強盗事件』の計四作品をカクヨムでも公開させて頂きます。

 一作目の『原田山13号遺跡事件』は、私の一連の作品群では比較的初期に執筆した作品で、長さも他作品に比べるとそこまで長くはなく、内容もかなりシンプルなものになっています。ただ、初期作品群の中では比較的評価が高い作品で、最近の作品と比べても全く引けをとらないと判断したため、晴れて今回こちらにも掲載させて頂く事にしました。内容としては、榊原が奈良県明日香村の『原田山13号遺跡』という遺跡の石棺から見つかった被葬者の死因を解明するよう依頼されるというかなり変則的なもので、そこに初期作品特有の表現が加わった、いつもとは一風違った作風を楽しんで頂ければと思います。
 二作目の『殺人名刺』は、榊原シリーズの作品群の中でもかなりの変化球的な作品で、その内容から賛否両論になってもおかしくない話となっています。あらすじ自体は、都内の河川敷で見つかった男の他殺死体からなぜか榊原の名刺が見つかり、それをきっかけに榊原を巻き込んだ捜査が展開されていく……というかなりオーソドックスなものなのですが、人によって合う人と合わない人が出てくるのではないかなぁというのが作者である私の所感です。批判覚悟の異色作となっていますので、その旨ご理解した上でご一読頂ければと思う次第です。
 三作目の『故意か過失か』は、2023年8月現在における榊原シリーズ長編の最新作品(2023年3月公開)で、いわゆる「法廷物」と呼ばれるジャンルに真っ向から挑んだ作品となっています。この「法廷物」というジャンルは、執筆にあたって裁判関係の専門知識が必須となるため執筆難易度が推理ジャンルの作品の中でも特に高く、それだけにこのジャンルを書きたいと長年思い続けながら、実際にまともな作品を書けるようになるまで相当な年月を費やした記憶があります。内容は京都のマンションで起こった過失致死事件の真相を榊原が追うというものですが、法廷物であると同時に一つのエンターテイメント作品として楽しんで頂ければと思う次第です。
 そして最後の『復讐代行人 心臓強盗事件』は、すでに公開している復讐代行人・黒井出雲シリーズの第二作目となる作品です。現時点で復讐代行人シリーズはこれと前作の『中谷高校事件』の二作品しか公開していないのですが、この作品は特に後半の怒涛の展開に対する賛否両論の意見が多かった記憶があります。というのも、私は榊原シリーズを「王道の推理小説」として書いているのに対し、復讐代行人シリーズは「外道の推理小説」をコンセプトに執筆しており、それゆえに普通の推理小説の探偵役が絶対にしない(できない)事をこれでもかと詰め込んだ内容になっているからです。同時に、この作品では「復讐の愚かさ」というものをこれでもかと読者に突きつける内容になっています。どういう事なのかは実際に読んで頂ければと思う次第です。なお、タイトルで薄々察する事ができるかもしれませんが、内容の都合上、作中で描かれる殺人劇がやや猟奇的なものになっていますので、そういう描写が苦手な方はご注意ください。

 そんな感じです。今回公開する作品群はどれもこれもかなり癖のある作品ばかりになりますが、一作でも楽しんで頂ける作品を見つけてもらえるなら、作者としてこれ以上嬉しい事はありません。ぜひとも、お楽しみいただければと思う次第です。それでは、今回はこの辺りで失礼させて頂きます。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する