お久しぶりです、奥田です。色々あって前回の投稿から数ヶ月時間が空いてしまいましたが、今回は「名探偵榊原恵一事件ファイル」シリーズのカクヨム掲載第三弾として、『魔法少女は高笑う』『如月事件』『三つの真実』『業火の亡霊』の長編四作品と、短編集『榊原恵一の日常』をカクヨムでも公開させて頂きます。
それぞれの作品の簡単な紹介ですが、まず『魔法少女は高笑う』は元々ある文学賞の公募用に執筆した作品で、何とか選考が行われる雑誌の巻末座談会に取り上げて頂いて編集者の方に批評して頂けるところまではこぎつけたものの、あと一歩届かなかったという作品となります(この特殊な選考内容から、何の文学賞なのかはわかる人にはわかるのでは?)。その巻末座談会で色々ご指摘いただいた事はあるのですが、今回は不適切な表現や誤植などの修正、一部の登場人物の名前の変更など細かい部分を除き、あえて公募当時の内容をほぼそのまま掲載するという形をとっているという事をご了承いただければと思います。「魔法少女」とは言っていますが内容そのものはガチガチの本格推理小説ですので、謎解きを楽しんで頂ければと思います。
二作目の『如月事件』は有名な都市伝説『きさらぎ駅』をテーマに執筆した作品で、シリーズの中では異色ではありますが、ミステリーとホラーを融合したような作品となっています。作品の肝となるトリックなどは一切手を抜いていませんが、「徹底的な現実路線である榊原をどうやって虚構の極みである都市伝説・きさらぎ駅に絡ませるか」という点でかなり苦労したのを覚えています。
三作目の『三つの真実』は肝試しをテーマにした作品で、結果的に「一度関わった事件はどこまでも追及する」榊原という探偵の凄まじさをこれでもか知らしめる作品になってしまいました。廃墟旅館に肝試しに行った女子高生が殺害された事件に関わる事になった榊原が、立ちはだかる謎を片っ端から解決していくという内容です。あなたは榊原が解決する前に、全ての謎の答えに辿り着く事ができるでしょうか?
四作目の『業火の亡霊』は、先日公開した『業火の殺人者』の直接的な続編で、公開したのが2022年の7月なので、比較的最近執筆した作品となります。こちらも肝試しをテーマにした作品で、肝試しに絡ん考えた二つのネタのうち一つを『三つの真実』、もう一つをこちらに流用したという経緯になります。前回の事件で火災と殺人の舞台となったホテル・ミラージュ。事件後に廃墟と化し、解体が決定したこのホテルの中から四人の人間の遺体が発見され、榊原が事件に関わる事になる……という内容です。個人的には犯人のあまりのサイコっぷりに書いている作者自身の気が滅入ってしまったのがいい思い出になっています。
最後の短編集『榊原恵一の日常』は一話完結型の短編集になっていて、ちゃんとした本格推理の話もいくつかあるのですが、普段がシリアスな話ばっかりである反動と言わんばかりにネタに走りまくったりシリアスな笑いを突っ込んだりと、私自身が「とにかく書きたいものを書いた」作品集となっています。現時点で約60話ほどありますが、どこから読んでも問題ありませんので、読者の方々がおもしろいと思ってもらえる話が一話でもあれば作者としてはこれ以上嬉しい事はありません。なお、この短編集に関しては今後も「なろう」で更新すると同時にこちらも更新していくシステムにしたいと考えています。更新は大体年に一回~数回程度で、一度の更新で書き溜めた話を数話ずつ一気に追加していく予定ですが、完全に「作者が書きたいときに書く」スタンスなので、気長にお待ちいただければと思います。
そんな感じです。それではぜひとも本格推理の世界をお楽しみください。