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【ノエしろ】キャラクターについて

あとがき第二弾です。
またも取り留めも無く好き勝手書いていきますので、お暇で仕方が無い時にお読みくださいませ。

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■ノヱル Noel
色々と完成まで紆余曲折が多かったのがノヱルです。
一度、ツイッターにてキャラクタービジュアルを展開したことがありましたが、そのイメージは何と天に引き継がれ、全く違うキャラクタービジュアルとなりました。
彼はもともと、「レヲン」という狩人型(ハンタータイプ)のヒトガタでした。
それが神の軍勢による粛聖(ジハド)によって、住まうフリュドリィス女王国の民諸共滅ぼされた後、そうなって後に漸く舞い戻った創造主クルードにより一基目の神殺し(ヒトガタ)として生まれ変わり、その際に新たな「ノヱル」という名を冠されました。
名前の語源としては、作中にて説明もしておりますが、「神を否定する天使(No+el)」であり、そして「レヲンの逆読み(Leon⇒Noel)」です。
自分のことを「己れ」と呼ぶ一人称や、ぶっきらぼうながらも他者を慮ったり、また理知的で機械的に振舞う反面、実に人間らしい素振りを見せるところが好きです。

彼固有の術式【銃の見做し児(ガンパーツ・チルドレン)】はその在り方の異様さが、今作のダークファンタジーらしさを物語っていると自負しています。
また、所謂“白い悪魔”モードに変身するための【世を葬るは人の業(バレットワークス)】やその状態から放つ【神亡き世界の呱呱の聲(ティル・ディアボリーク)】もまた、名称のかっこよさに定評があると勝手に鼻息荒くさせていただいております。
最終決戦にて一度だけ放った、自分自身こそを神を葬る弾丸として放つ【神を否定する悪魔(デアボリカ・エクス・マキナ)】もまた、中二病まっしぐらな感性を擽ることが出来たら幸いです。

なお、最後の戦いを終えた後で彼が暴走する結末も用意していました。
彼は神殺しですから、神がまた新たに生まれるなら神を殺すために、転生先の人間を殺しにかかる、という。反ジハドですね。
ですが神を殺すではなく否定する、とする以上、神の存在を抹消する。ゆえにもう神はいない。という結末を選びました。
主人公が最後にラスボスに転化し、それをもう一人の主人公であるレヲンが討つという結末もなかなかにダクファンめいているなとうきうきしておりましたが、その流れはいつか他でお見せできるかと。てはをか? うん、そうね。

おまけをお読みいただければ判りますが、彼の物語は続いて行きますので、その時が来ればノヱルの新たな戦いを見ていただくことが出来ると思います。
もしよろしければ、その日まで楽しみに待っていていただければ。


■山犬 Yamainu
原典からいろいろと変えて、最も人気を博したのが彼女、山犬です。
もともとは男の子でした。あのように可愛らしく強くそしてエロい子に変わり、とても人気でした。FAも一番多くいただきました。みんな山犬ちゃんが大好きなのですね、わかります。
物語中でも何度か言及しましたが、彼女、強すぎました。
やる気になれば多分、神の軍勢は彼女一基でどうにかなるレベルだったかと思います。そもそも作中の何よりも上をいく再生能力と、文字通り無限に等しいエネルギーの貯蔵タンク、そしてそれらを駆使して行使する無限の増殖。これ、誰が勝てるの?
山犬ちゃんだけパワーアップ回が無い要因がこれでした。そもそも強いの。
ですが肝心のその強さの原動力である中身(魔王の魂)がそこまでやる気に満ち満ちた存在では無かったため、苦戦を強いられることも多くありましたが。
そもそも魔王は、出て来るつもりは一切なかったんですが、色々と頭に来る何かが積み重なり、重い瞼を抉じ開けて出て来ることになったのです(主に天のせい)。魔王ちゃんは寝つきが悪いので、一度起きるとそれはもう長らくそこに留まっておりました。

山犬ちゃん固有の魔術もまた、好みの術式名を冠することが出来ました。
【神殺す獣(デチェリィクスヴィ)】や【饕餮(チェミクスチークス)】はローマ数字表記の「666(DCLIXVI)」「999(CMXCIX)」のカタカタ読み、自分では無く自分を取り巻く世界そのものを変異させる最終奥義・超必殺技みたいな【其の獣は神を穢す数々の名で覆われ(マテール・メレトリシス)】は聖書から取りました。あれです、「大淫婦バビロン」のことです。

魔王ちゃんが誰なのか、については別の物語にて、それとなくわかるように書きますので、もしよろしければそちらもお楽しみください。
てはをか? うん、そうね。


■天/天牛 Ten/Ten-Gyu
ノヱルからキャラクタービジュアル原案を引継ぎ、イケメン優男でありながら女たらしで夜の覇者という色男ぶりを発揮したにも関わらず、その実初恋を忘れられないダメ男っぷりをも発揮した結果、両脚以外の全てを棄て去ったキザキザマン。それがお前だよ、天。
自由を愛するがゆえに自由に囚われているという矛盾っぷりだったり、【神斬武士】を展開して天牛という所謂“蒼い悪魔”モードになるための、刀に込められたもう一つの魂“牛くん”のことを長らく誤認しまくっていたりと、登場から物語が進むにつれてここまで駄目さ加減を呈してくれたのは後にも先にもたぶん彼だけです。
また、彼が登場する章はやたら長くなりがち、というジンクスまで生まれましたが、登場しない第六章も長くなったのでそれは違うという結論となりました。でも二章も四章も八章も最終章も長いのよね。単に偶数章が長いだけ?
彼固有の魔術というか剣技の名称は全て、「かん○○」と読む単語を「神+○」という表記に変えたものです。
【神薙(カンナギ)】⇒巫(かんなぎ)
【神緯(カンヌキ)】⇒閂(かんぬき)
【神螫(カンザシ)】⇒簪(かんざし)
【神絶(カンダチ)】⇒庤(かんだち)
本来【神絶(カンダチ)】は【神哭衝(カンナヅキ)】という技名でしたが、やめました。天牛状態時も含め、天の剣技は突きが無いので。牛君、そのあたり何で突きを多用しなかったんでしょうか。彼、突きが得意の筈なんですが。

なお、牛君が誰であるか、についてはある程度第八章にて明かされてはいますが、明言はしていません。
まぁぶっちゃけヴァスリの牛飼七月くんなんですけど。だから突きが得意の筈なんですけど。

彼が変わるきっかけを得る八章のタイトル「夢・デマ・他愛・魔性」は、いつか書こうと温めていた戯曲のタイトルを流用しました。繋げて変換して読むと「夢でまた会いましょう」に。夢なんて本来見ないのに、というところがポイントです。
そこで登場したカエリの想い人、マリアベル。
彼女のあれこれは、その辺りで忘れられかけていたこの物語のグロテスクさを再臨させる意味合いもありました。
そしてヒトガタみたいな人間の労働を肩代わりするアンドロイドがいる世界で起こり得そうな文化の流れ、の一部分を描くことが出来たかな、と(性風俗のありかたあれこれ)。

あと、何気にこいつも実は「10(Ten)」っていう。


■シシ/レヲン Shishi/Leon
この物語のもう一人の主人公、と言っても過言ではありません。
なお、彼女が登場する第二章の原案もまた、舞台演劇をやっていた頃に書いたけど打たなかった戯曲です。まんま「ミートピア」ってタイトルの。
中身がそこはかとなく某ジャンプ漫画に似ていますが、あえてそのまま突き進みました。メインテーマは違うので。あくまで違うので。
二章最後の、シュヴァインさんの遺された腕を彼女が喰らうシーンが気持ち悪かった人は多いでしょう。そもそも、段々となぜか中和されていきましたがもともとグロい作品でした、この物語。
ですが心から、生きるということは他者の命を喰らうことだ、という理念が私にはあり、だから私は肉を食べるのですが、野菜も食べるのですが、別に食生活や食文化に何か言及するつもりは無いのですが、それはひとつのテーマとして彼女の根底に根差して然るべきでした。
彼女固有の術式となった【死屍を抱いて獅子となる(デイドリーム・デッドエンド)】までが、彼女の名を語る上でのワンセットです。
宍(シシ)+死屍(シシ)=獅子(シシ) それが彼女の名づけの全てです。

※宍というのは肉の異称といいますか。

一人称が「ボク」から「あたし」に変わりましたが、別に変えなくても良かったなぁ、と今更ながらに思いました。まあ意味はあったんですが、結局そこまで書けてませんので。
最終的には【千尋の兵団/プライド】という術式を身につけ、彼女の目に見える成長は終わりましたが、もう一段階何かあっても良かったな、と思います。または、結局やらなかったんですが、【禁書】の面々をオートマタ化、という案もありました。


■冥 Mei
もともと、前作「げんとげん」の時点で、この物語とのリンク、は用意していました。
ですが当初は、冥は五章でリタイアするつもりでした。
一応前作の主人公ですから、というのが理由ですが、ですが最後まで残留する理由もまた、前作の主人公だから、でしょうね。僕、彼女好きすぎる。良くないですね、わかっています。

彼女固有の術式については前作同様に、そして前作以上にそのヤバさを表現できたかな、と思います。
彼女を殺すものを殺し返すものですので、結局は老衰の原因となる時間をすら彼女の術式は殺害可能です。

実は冥はレヲンではなくむしろ山犬にこそ繋がりがあるキャラクターではありましたが、今作ではそれを見せない形をとりました。おかげでてはをかの構成が固まりました。ん?

新しくなってしまった冥ではありますが、その後どうなったかについては、レヲンが残し記した物語に答えがあります。
あの物語は、レヲンと冥との共作です。つまり……


■クルード・ソルニフォラス Cruide Sorniforus
名前の由来は「狂人」です。無理やり訓読みしたものをカタカナにしています。くるうど。
ソルニフォラスの由来? 語感かなぁ。
七章でノヱルが未来の世界にて対峙したクルードも、そして五章でレヲンが対峙したクルードも、そのどちらもが本当のクルードではなく、遺体に込められた彼の記憶に結びついた霊銀がアンデッド化したことで生まれた自我でした。
記憶を原材料にしていますから、そこまで違うということは無いのですが。
そして本来のクルードの魂はノヱルの根幹に結びついています。なのでこの物語では何とクルードが三人登場しているわけです。

彼については、サブキャラとしてとてもよく書けたなぁ、と思っています。
個人的には五章でのクルードが一番好きでした(レヲンを仔獅子と呼ぶのがもう)。


■エディ・ブルミッツ Edi Blemeets
彼の名前は「食用肉/エディブルミート」が由来であることは物語の中でも伝えていますが、
その由来みたいに、なんだかんだで報われなさすぎたのが彼の役割でした。
レヲンほど恵まれず、しかし愚直で努力家、優秀ではある彼。時に幼い精神性を発揮することもありましたが(六章)そのあたりもひっくるめ、愛される素質は持っていそうです。
意気揚々と聖剣を説得してみたものの通じず呪われてしまったのはご愛嬌。
ですが最終的にはどうにかなりました。
今後、目的を失った【禁書】をまとめることになりそうですね。
再臨した聖女とどうにかなるのか、それともレヲンとどうにかなるのかは……あーでもレヲンとどうにかなる未来は無いのかなー?


■ランゼル、ゾーイ Ranzel & Zoy
何だかんだ、サブキャラでは最も好きなこの夫妻。人間臭くて素敵。
物語の最後では山犬から遺されたノヱルの魔導核を受け取ると共に、それを追って未来からやってきたヴァンをレヲンへと導く大役をゲットしました。
もうレヲンにとってはおじさん・おばさんの立ち位置です。ずっと運送業に携わっていてほしい。そんな彼らが運んだ一番のものは、そう、「命」でしょう。


■シュヴァイン・ベハイテン Schwein Behalten
みんなのお父さん、シュヴァインさん。かっこいい名前ですが、ドイツ語で「豚」です。
食べる人族(ヴェントリアン)に化けて過ごした半世紀、愛情を以て育てた子達を食肉として出荷しなければならない・屠殺しなければならない彼はしかし、最後にシシという最たる愛娘を授かりました。
第二章にてシシが天に、勉強する理由について某ジャンプ漫画みたいな回答をしておりましたが、アレ実は物語中の事実とは異なります。
別に食肉が賢かったからとて品質に誤差を上回る差異が出るわけでも無し。シュヴァインがシシに勉強を教えていたのは、単にいつか彼女が独りで生きて行かなければならなくなると祈っていたからです。
また、シシが食肉としては栄養不足気味で肌や肉質に問題があったのも、加齢により業務をこなせなくなったことでシュヴァインが貧乏になったからではありません。そうしなければ彼女は出荷されてしまうからです。
ずっと彼は、彼女を守り続けていました。禁書うんぬんはありましたが、それでもやはり彼にとって彼女が最愛だったからでしょう。何せ最後の一人ですから。
そしてその最期もまた、彼女を庇い、守ってのものでした。
遺された腕がやがて文字通り彼女の生きる糧となり、そして力となったこと。それは果たして、“奇跡”だと呼べたのでしょうか。


■エーデルワイス Edelweis
そしてみんなのお母さん、エーデルさんです。彼女とノヱルのやりとりは書いててとても楽しかったことを記憶しています。
個人的には、その最期のメッセージを受けてシシが思わず「お母さん」と叫ぶのが好きです。血の繋がりじゃないんだぜ、家族って。
個人的には、彼女の若かりし頃のスピンオフとか書いてみたいなぁなんて思ったり思わなかったり。
シシ=レヲンちゃんは本当、いい家族に恵まれたと思います。


■禁書 Apokryfa
頑固と頑強とで出来ていそうな、でも理知的でもあるガークスさん。
今頃何しているんだろうの裏切者、ライモンドさん。
意外と料理上手と言うか実は女子力高い疑惑のミリアムさん。
きっと小柄で細身のすばしっこ系男子バネットさん。
対照的にガタイのいいガチムチ系男子サリードさん(なのに武器が弩)。
沈む人族(フィーディアン)には珍しい氷術に傾倒した魔術士のアスタシャさん。
きっと偉い人のステファノさん。

たぶんネームドはこんな感じでしょうか?
バネサリのペアが好きです。この二人はミリアムを実は狙って競い合っているという噂も?


■空の王 Acrorix
前作「げんとげん」第七章にて語られ、そして今作にてその真実が紐解かれた物語「空の王」ですが、聖女ことエトワが救われてよかったよかった。
現在はその現存が確認されていない翼持つ人族(アラトゥミアン)であったと思われる禽君とは違い、エトワの背中の翼は霊銀汚染の結果です。最後の最後で、シシがレヲンになった時のような、それと比べるとやや規模は小さいですがそのような奇跡が彼女にも降り注ぎました。
すでに教団はそのトップからして壊滅してしまいましたが、その存在はどうにか原型を留めている、というところに再度現れた彼女が、再び聖女として民衆を導く役割を背負ったことは想像に難くありません。
そしてそれを支え、今度こそ正しい未来へと進むために尽力するのは、きっとエディなんだろうなぁ。うん、だから結局エディはなんやかんやでエトワとくっつくに違いない。


***
何だろう。ここまで色々と書いて思うことは、
え、その後とかスピンオフ書いた方がいいですか?

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