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トイレ掃除

 トイレを掃除します。毎日。我が家では、なぜかこれが家長の役割なのです。

 高校生の兄貴に聞かれたことがあります。

 なぜ、お父さんがトイレ掃除だけはするのかと。

「うむ。息子よ。これはな、家族にどんなことがあっても、そこに手をいれる修行なのだよ。神社の御神体が鏡が多いのは、のぞき込む自分の内側にも神様がいらっしゃるということ。遠いご先祖様かもしらんし、生まれ変わる前の自分かもしれん。もしかして、小さい頃の自分かもしれない。お父さんは神様がどこにおられるかよくわからん。だけど人ならいっぱい見る。人の内側に神様がもしいるのなら、その人数だけ神様がいるよね。笑顔で機嫌良く、その神様に恥じないよう便器を磨くのだ!」

 力説する。答えは・・・
「ふーん。あっそう。」

 息子よ、ひどり立ちすれば分かるって。どんなにつらいことが待ってるか。すがれるものもなく、ただ自分の心を整えることがどんなに大切か。それを毎日忘れないためだ。

 お姉ちゃんが学校から帰ってきます。トイレに駆け込みます。
「私、学校でトイレに行けんのよねー。お家のトイレが一番。」
 内心、ガッツポーズです。実はこれが嬉しいのかも。
 あなたが居心地良いなら、それでいいよね。

 兄貴にこないだ言われました。
「僕も掃除してみた。」

 うん、我が家も少しは保つかもしれない。

 そう思いながら、PCでカタカタ小説を書いています。









 

2件のコメント

  • おいなり新九郎さま

    トイレ掃除だけは、自分でしたい私です。理由は、わかりませんが。

    ここから失礼します。
    私の作品「半魂」に素敵なレビューをありがとうございます。とっても嬉しかったです。
  •  ご丁寧にありがとうございます。トイレ掃除ってもしかして汚れだけを落としているのではないのかもしれませんね。理由はそこらへんにもあるかも。
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