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  • エッセイ・ノンフィクション

それは一事が万事とは違うだろう(いくつか家賃保証会社に関するコラムを読んで)。

 家賃保証会社に関するコラムや記事というのをあまり読んだ事がない。検索してみた事もあるが、そもそも数も多くないと思う。
 私のような実体験を書いている家賃保証会社の管理(回収)担当者はいなさそうだった。

 何ヶ月か前に楽待新聞さんの取材を受けた。楽待新聞には大家さんの書いているコラムが掲載されている。その中で、家賃保証会社に関係のありそうなものをいくつか読んでみた。

 あまり家賃保証会社を良く思ってない大家さんのコラムとそこに付いたコメントが印象に残った。カネを払ってくれないというような。
 
 因みに家賃保証会社の保証範囲は原契約(賃貸借契約)の連帯保証人の範囲ではない。保証委託契約書の範囲で、それは各社かなりバラバラ。商品によっても違いがある。
 賃借人(=入居者とする)の死亡、逮捕、夜逃げ、破産。そういう場合によっても対応は変わる。

 納得できなかったり、担当者の対応や説明に不満があったりもしたんだろう。しかしそれはもう個別の事例だ。百歩譲っても『その家賃保証会社はそうだったんですね』でしかない。
 それがさも『家賃保証会社とは全て』~のような文脈で書かれると、ヒトがモノを知る限界を感じてしまう。

 私は折に触れて『全家賃保証会社の事なんて知らない』と書いている。それを語れる人間も知らない。個人が全て把握できる筈がない程に各社バラバラだから。

 たまたまそういう家賃保証会社のそういう担当者で不満があります、おかしいです。そりゃそうだろうが──その個別事例をもって『家賃保証会社全体』のように書かれていると……アジビラに近いのでは?
※理屈と膏薬は何処へでも付く。私が読んだコラムは保証委託契約書の内容も転記されていなかった。コラムの妥当性が私には判断できない。

 ところで、そういう記事やコラムを読んだ人は『家賃保証会社ってそういうものなんだ』と思うんだろう。私はそれを正したいとは考えない。私にその能力もたぶん無かろう。家賃保証業界に愛着もない。いつまで働いているのかもわからないし。
 何より、私が書いている『お話』も所詮、私が見聞きし経験した個別のお話に過ぎないから。

2件のコメント

  • いつもおつかれさまです……私は氏の小説を読み、家賃保証会社のことをなんとなく分かりましたが、一般の方には馴染みないですよね。
    レッテル貼りされると辛いものがあります。ご苦労さまです……。
  • 愉悦部出身 様

    お読みいただきありがとうございます。

    家賃保証会社も使った事のある大家さんのコラムでした。

    普通、自身の経験から物事を推量されるでしょうから、仕方ない部分はあると思うのです。
    ただ、『全部そうだ』という風に書かれていると、それは違うんじゃないの? と思います。

    例えば10社の家賃保証会社と取引した事のある大家さんは稀でしょう。不動産会社ですら。

    では100社なら? まず存在しません。

    2023年の国会で『2022年時点で(家賃保証会社は全国に)247社』と国交大臣が発言しています。それだけの数があります。

    もちろん各社は俯瞰してみれば数種類に分類できます。しかし同時に、大手数社でもバラバラな部分もあります。

    ベースの部分で極端な違いはなくても『入居者の死亡、逮捕、夜逃げ、破産』ではかなり対応が違う事もあります。

    全部を知っている人はこの世にいない筈だから、断定するような書き方は良く無いですよ、と思いました。
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