塚本邦雄の歌には「水道管」もよく出てくる。
・ 屋上の獸園より地下酒場まで黑き水道管つらぬけり
・水道管埋めし地の創(きず)なまなまと続けりわれの部屋の下まで
管状のものが何かと何かを繋いでいるという感覚は、いま読むとネットを通じての関係を思わせる。
「傷」や「創(きず)」もまた何度も目にする言葉で、だから安易だというのではなく、むしろ存在感のある登場人物にまた再会できたような嬉しさがある。
塚本邦雄の本をもっと読みたくなり、注文したのだが「注文を受け付けた」とか「発送しました」というメールを確認できない。
自分がその版元のメールを受信拒否にしているせいかもしれず、文句の持って行きどころがない。
それにしても塚本邦雄の短歌には飽きず、読み返すといつも新鮮さを感じる。
「塚本邦雄の平易な短歌コレクション」とでも題して、ポツポツと文章を書いてみたくなってきた。