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文字より絵、創作より対談の巻

日本史の本を読んでいると、武具や日用品など文字だけでは理解できないことが多い。

役職や似た名前、何を指しているのかすら分からない服飾、装束関連など、わかりにくいものは結構あるので、図鑑のたぐいの方がずっと理解が進む。

最近、書店で見かけたのは平家物語の図鑑で、イラストによって平氏は猫、その他は犬など、デフォルメされている。

正統派の歴史好きが怒りそうだが、私は割と肯定的で、味気ない文章を延々と読まされるより情報量が多く、百倍ありがたい。

一番困るのは「すっきりわかる」「流れがわかる」「再入門」「学び直し」を謳っているのに、教科書の文章をですます調に改めただけのような本である。

また、有名な学者による単著を読んでみる方が大学の入試問題よりもずっと簡単に感じられることが多い。これはかなり手加減をされているはずだが、入試問題が高度すぎるのも事実ではないか。

もっと含蓄が深いと思えるのは対談集で、本に書いたことを宣伝も兼ねてパーッと話している対談は実に面白い。

嵐山光三郎と磯田道史の対談集「影の日本史にせまる:西行から芭蕉へ」を読んでしまうと、小説「西行と清盛」が味気なく感じられてしまうほどで、これは読む順序を逆にするべきだった。

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