丸谷才一の書き残した遺稿に「クリムト論」のメモがあったという。
全体のメモや細かい小題などが残っているのを読むと、それだけでけっこう面白い。
これは美術史家や、評論家や、丸谷才一の文体模写のできそうな作家を集めれば、何とかそれっぽいものができるのではないか。
今だったら、AIに書いてもらうとか、それを修正したら面白いのでは? と思ったが、チャットGPIのレベルだとまだ「丸谷才一」が誰だか判断できないらしいので、儚い夢と消えてしまった。しかし数年後はわからない。
「丸谷才一のクリムト論を、遺稿を手がかりにして原稿用紙300枚で書いてくれたまえ」
と、これだけの命令文でサッと出力される可能性は、一年後には10%、三年後には30%、8年後には80%くらいあるように思う。