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「優しく、優しく、優しく」の巻

先日観た映画のせいで、また「にわか明治維新ファン」的な読書に励んでいる。それで司馬遼太郎のエッセーを読んでいたら、吉田松陰は「とても優しい心を持っていた」とあり、やっぱり人間は優しい心を持っているのが一番だよなと、すっかり感化された。

ほぼ日刊イトイ新聞の基本姿勢は「やさしく、つよく、おもしろく」だが、このところ「おもしろく」は旗色が悪い。

最近の例でいうとエイプリルフールすら以前ほど盛り上がらない。つい10年くらい前までは企業が争うように面白げな企画を出していたというのに。もはや世の中が面白さを求めていないのだ。

「つよく」もあまり歓迎されない。金の力で権力を手に入れて、権力で金を得て、横暴に振る舞うのが一番強い、そして弱者は切り捨てる、というその種の強さばかりの世の中になった。

そのうえ、何かに対する批評や批判も歓迎されない。

そういう訳で今の世はひたすら「優しく、優しく、優しく」というモードになりつつある。私は外見的には優しい人と思われたいが、内面的には「そうは言っても優しいばかりでもないんだ……、本当の俺は……」と思いながら生きていきたい。

結局のところ「優しく」の時代が続くにしてもいずれ「強く」「面白く」の時代に移り変わるだろう。

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