「維新の篝火」を見た。以前観た新選組の映画で近藤勇を演じていたのが片岡千恵蔵で、どっしりとした体格に風格、「これぞ近藤勇」と納得したものだが、この映画では土方歳三を演じるのが片岡千恵蔵である。
「そんなのあるのか?」
と思うが、実際にあるので仕方がない。
本作では池田屋事件の後から話が始まっており、隊の規律を厳しくしすぎて、「鬼」「人殺し」「冷血漢」と噂されているのが土方(=片岡千恵蔵)である。
そんな発端の割にはほぼ恋愛もので、千恵蔵は淡島千景といい仲になって密会し、若い新選組の侍も女の子とイチャイチャする。
この若い侍がイチャイチャしているうちに見張り役を疎かにしてしまい、切腹を命じられる。この後も結構、この流れで厳しい展開が続く。
要は「土方=田舎者の百姓出身の視野狭窄の酷い奴」という流れで、それをじっと耐える姿が格好いいのである。
話はその後、だんだん新選組が落ちぶれてしまい、鳥羽伏見の戦いでは鉄砲と大砲の長州軍に刀で向かっていく。
「突撃―!」
「続けー!」
と叫ぶのだが、この状態で突撃するくらいなら全財産をサマージャンボ宝くじに充てる方がずっとマシである。
ところで切腹を命じられた若い侍はウルトラセブン役の人だ、絶対にそうだ、モロボシダンで間違いない、と思っていたら完全に間違いで、若い頃の里見浩太朗なのであった。
それにしてもそっくり(写真参照)。