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病院で働く人々の平和の巻

ある人にインタビューをするということは、脳外科医の難しい手術のように「それができるのは世界でほんの数人」と称えられるほどの、見方によっては素晴らしい快挙かもしれない。

それをやり遂げた自分、すごい! と自画自賛したくなる。

ところが、インタビューをした本を編集して販売、発送までする段階となると、そう喜んでばかりもいられない。

これが病院だとすると、自分は脳外科医をやりつつ、
同時に看護師も自分だし、
病院の廊下の清掃夫も自分だし、
売店で夕刊フジを売っておつりを渡す販売員も自分、
血で汚れた包帯をゴミとして出すのも自分、
夜中の警備員も自分、
早朝にシャッターを開けるのも自分、
電話に出るのも自分、
受付で「診察券と保険証を出して下さい」と言うのも自分なのだ。

その上、経営判断をしながら宣伝部にもいて、経理課にいて帳簿をつけて納税もして、組織改革やコスト削減、対外交渉も自分が担当しているので混乱してくる。

「おい、そこの自分! ボサッとしてないでこっちの住所印を押せ!」

「お前こそこっちの電話に対応しろ! 自分のくせに我儘を言うな!」

「まあまあ、自分同士なんだから仲よくしてくださいよ~」

「そうそう、平和に行きましょうよ……(と言いつつ、カクヨムに近況ノートを書いている)」

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